「デリカというのはもともとのルーツからして、人と荷物をたくさん運ぶということに加えて、2代目以降はそれに走破性を加えてきました。今回のコンセプトカーはそこを純粋に追求したいと思いました。特にサイドビューは、2代目、3代目のスターワゴンの広いキャビンを感じさせるようなシルエットと大径タイヤを採用。どこでも行けそうな感じをアイコニックに表現しました。
【画像】コンセプトカーのリヤスタイル
フロントまわりは、スターワゴンを作ろう、オマージュしようという掛け声はありませんでしたが、デリカって何かとデザイナーが考えたときに、デザイナーたちは自ずとアイコニックな3代目スターワゴンをイメージしながら絵を描きました。
レイアウトについては、3代目は完全なキャブオーバータイプ。今回採用したレイアウトは4代目のスペースギアのようなセミキャブオーバータイプです。エンジンは前にあるが、乗員を高く前に配置することで見晴らしのよさを訴求しています。今回、エアリアルコックピットと名前を付けて、ウインドシールドの実視界と窓下のシースルーボンネットを組み合わせて、ヘリコプターに乗ったような視界としています。より安全な運転のために、よりエキサイティングな経験のために、そういったコックピットとしています。歴代のデリカもアイポイントが高く、見晴らしのよさを特徴としており、デリカらしさのポイントではないでしょうか。
さらに、三菱らしさ、デリカらしさというもののなかに、たくさんの人で乗ってどこかに出かけるとか、車内でコミュニケーションを楽しむと考えています。ですので、コミュニケーションを円滑に図るために、AIコンシェルジュという機能を用いたり、前席を回転させて2列目、3列目の人と対面して会話ができるなど、そういった空間の楽しみ方もデリカらしさのひとつです」
デリカらしさにこだわったD:Xコンセプトだが、これが次世代のデリカそのものということではないという。今後、新型デリカに向けて、デザインや機能を検討していくとのこと。コンセプトカーの反響など、ユーザーの声を聞いていきたいとのことで、こうした声が次世代デリカに盛り込まれることに期待したい。
〈文=ドライバーWeb編集部〉