待ちに待ったジムニー5ドア、その名も新型「ジムニー ノマド」が1月30日に正式発表となった。発売は4月3日、価格は5速MT車が265万1000円、4速AT車が275万円。
月販目標台数は1200台で、インドからの輸入車となる。

先んじてインドにて発売されていた5ドアモデル。なぜ日本にも導入されることになったかというと…。じつは現行ジムニーシリーズは、これまで以上に一般ユーザーに愛されている。でも、3ドアであることや荷室の狭さを理由に、購入をためらう人も多かったとか。「ならば!」ということで、今回、後席の居住性や乗降性、そして荷室空間にも余裕を持たせた5ドアを導入することになったのだ。

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ちなみに「ノマド」はかつてスズキのコンパクトSUV、エスクードの5ドアモデル「エスクード ノマド」から継承。ノマドは、“遊牧民”を意味する言葉だ。

そんなジムニー ノマドの開発コンセプトは、「本格的な悪路走破性を持つ5ドア コンパクトクロカン4×4」。ジムニーシリーズとして初となる5ドアモデルで、ジムニー最大の魅力である悪路走破性を維持しながら、リヤドアの採用やホイールベースの延長などにより、後席の居住性・快適性を向上した4人乗りモデルだ。

ボディサイズは全長×全幅×全高=3890mm×1645mm×1725mm、ホイールベースは2590mm。ジムニー シエラに対して全長は340mm長く、全高は5mm低く、ホイールベースは340mm長い。


エンジンはジムニー シエラと同じ1.5リッター直4・NAの「K15B」。最高出力は102馬力、最大トルクは130Nmだ。車両重量は、ジムニー シエラに対して100kg増となる(5速MT車は1180kg、4速MT車は1190kg)。

WLTCモード燃費は5速MT車が14.9km/L、4速MT車が13.6km/L。ジムニー シエラよりもそれぞれ0.5km/L、0.7km/L低い数値だ。タイヤサイズは、195/80R15とジムニー シエラと同じ。

デザインは、ジムニーのシンボルである5スロットのフロントグリルにガンメタリックの塗装とメッキの縁取りを施すことで、上質感を表現。また車体色には、鮮やかなパールレッドの質感がエネルギッシュでアクティブな印象を与えるシズリングレッドメタリックと、上質感を感じられるセレスティアルブルーパールメタリックなどをジムニーシリーズとして新設定。全6色のラインアップとしている。

パッケージング面では、ジムニー シエラに対して全長及びホイールベースを延長し、後席乗員の着座位置を後方に移動することで、後席の乗降性や居住性をアップ。さらに荷室空間も拡大されている。

ジムニーシリーズの特徴でもあるラダーフレームは、ジムニー ノマド用に新作。
重量増加に対して必要な剛性を確保したほか、FRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジットアクスル式サスペンションなどの車体構成は継承されている。その一方、ホイールベースの延長により高い直進安定性や操縦安定性も実現した。

安全装備は、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備としたほか、4速AT車にはアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を採用するなど、機能を充実させている。

■新型ジムニー ノマドのおもな特徴

【エクステリア】
・ジムニーシリーズに通じる5スロットルリルは採用しながらも、クロームの縁取りとガンメタリックの塗装でジムニー ノマド専用グリルとし、上質感を演出
・車両の姿勢や状況を把握しやすいスクエアなボディーにより、車両感覚がつかみやすく危険回避性能を高めている
・無塗装樹脂バンパーやフェンダープロテクター部品によって、石はねや泥はねがあってもボディパネルには傷がつきにくいボディ構成とした
・前後バンパー下部を切り上げた形状とすることで、悪路での走破性を高めた

【インテリア】
・ジムニーシリーズの特徴であるオフロードなど過酷な環境下での運転のしやすさや各部の操作性にこだわった、機能に徹したデザインを継承
・後席にしっかりと乗員が座れるようシートに厚みを持たせ、ラゲッジスペースは荷物が滑りにくいカーペットを採用した
・リヤウインドウまわりにトリムを追加することで、後席乗員の快適性を高めた
・フロントコンソールボックスにドライバー用の後席パワーウインドウスイッチを追加

【ボディカラー】
・2トーンルーフ仕様車は、「シズリングレッドメタリック ブラック2トーンルーフ」、「シフォンアイボリーパールメタリック2 ブラック2トーンルーフ」の2色
・モノトーンは、「セレスティアルブルーパールメタリック」、「ジャングルグリーン2」、「アークティックホワイトパール」、「ブルーイッシュブラックパール4」の4色を設定

【後席居住性・乗降性】
・リヤドアの追加、及びホイールベースを340mm延長させることで、後席の乗降性と居住性向上を実現
・後席ヒップポイントを50mm後方に移動して膝まわりのスペースを拡大、さらに後席乗員間距離を90mm拡大することで、後席乗員の居住性を高めた
・後席ヒップポイントを20mm高くし、シートクッション圧を確保するなど快適な乗り心地や座り心地を実現

【荷室の利便性】
・ホイールベース延長に伴い、4人乗車時の荷室床面長をジムニー シエラに対して350mm拡大した

【本格4WD性能の継承】
・ジムニーシリーズの特徴であるラダーフレームをジムニー ノマド用に新作し、優れた悪路走破性を継承した

【先進予防安全技術を標準装備】
・衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備
・後退時ブレーキサポートや後方誤発進抑制機能、さらに高速道路での運転をサポートするアダプティブクルーズコントロール(ACC)を4速AT車に標準装備

〈文=ドライバーWeb編集部〉
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