「自由って言われても何をしていいかわからない」と、親戚の小学生が泣きついてきた。

彼は夏休みに出される自由研究が大の苦手。
まだ夏休みが始まっていないのに、今年も出されるであろう自由研究にビビりまくっているのだ。そこで、夏休みになる前に一度練習しておこうという「Pre自由研究」を一緒に行うことにした。

まずは題材選び。やはり題材にはこだわりたい。せっかく調べた研究が誰かとかぶっていて、二学期しょっぱなからヘコむなんて悲劇は避けたい。そこで「目黒寄生虫館」をチョイスした。いくらなんでも自由研究に寄生虫を持ってくる輩はいないだろう……。
珍しい寄生虫の世界を堪能できる、世界で唯一の寄生虫専門の研究博物館、それが「目黒寄生虫館」だ。1993年に建物をリニューアルして以来、その珍しさから多くの人が来館しているのだとか。夏休みには子ども向けのイベントなども行われるので、自由研究の題材にはオススメの博物館だ。

では気になる「目黒寄生虫館」の内部へ……。

入ると、さっそく寄生虫ワールド全開。
ホルマリン漬けにされた寄生虫がズラリと展示されている。このホルマリン漬け、寄生虫が寄生している状態で展示してあるので迫力満点! どういう動物の、どの部分に寄生しているかがよくわかる。寄生虫の寄生っぷりが見れるのはなんとも貴重だ。
2階では、パネルなどで寄生虫や寄生虫病のことを説明している。そして、なんといっても「目黒寄生虫館」の目玉展示標本、8.8メートルのサナダムシ! 

目黒寄生虫館館長 町田氏はこう語る。

「8.8メートルのサナダムシ(日本海裂頭条虫)は、実際に当館の創設者である亀谷了が採取したものです。あれだけ綺麗に採取するのは非常に難しく技術が要ります。隣に並んでいるヒモでその長さを体感してみてほしいですね」

ということなので、実際に8.8メートルがどれほど長いか、標本の横に設置してあるヒモを伸ばしてみる。……長っ! 

・8.8メートルの目安
男子走り幅跳びの世界記録 8.95メートル(マイク・パウエル選手)
徒歩約7秒の距離(個人差アリ)
キングコングの腕の長さ(推定)

他にもさまざまな展示物や標本が並んでおり、すっかり寄生虫の世界を堪能してしまった。最後に町田氏がこんなことをおっしゃっていた。

「動物は他の動物と関わりあって生活しています。その関わり合いが『捕食』であったり『共生』であったり『寄生』であったりします。
寄生虫は寄生する動物(宿主)なしには生活できないのです」

宿主なくして、生きていくことができない……。これは人と地球にも言えるのことなのではないだろうか。寄生虫を通して、改めて宿主である地球環境の大切さを実感した。

以上、自由研究でした!

ちなみに、「目黒寄生虫館」は無料で利用できるが、来館者の寄付が貴重な財源となっているそうだ。来館した際は是非とも寄付に協力していただきたい。
(ドープたつま/studio woofoo)

目黒寄生虫館HP
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