宮城県の鳴子温泉といえば、こけしのメッカ。そこで見つけたのが、使うのが惜しいほどキュートなマッチ。
その名も“こけしマッチ”だ。

このマッチ、なんとマッチ1本、1本にこけしの顔が描かれている。パッケージには「人生のともしび こけしマッチ」というキャッチコピーとシュールなこけしのイラスト。思わず、まとめ買いしてしまった。

帰ってから調べてみると、こけしマッチの歴史は意外に古く、誕生は14年前の1994年にまでさかのぼる。もともと鳴子土産として作られたものではなかったが、2003年から“こけしの町”である鳴子でも売られるようになり、2005年には鳴子限定のマッチ(ブックマッチ)も登場したらしい。


こけしマッチを作っている、“こけしマッチ制作所”の方に話を聞いてみると、
「量産していますが、すべてが同じ顔にならないところが、味だと思っています。マッチ(棒の頭)はそもそも形が一定でない。それを面白いと私たちは思っています」
そう、見れば見るほど、愛嬌のある表情をしているのだ。

いまでは、こけし以外の仲間も多く、見逃せない。箱マッチには“こけし”のほかに、ひよこ、つる、いぬの3種類があり、一番人気は“ひよこ”。ブックマッチには、パンダ、ネコ、ブタ、うさぎがあり、パンダとネコの人気が高いとか。
また過去には、だるまをモチーフにした“だるマッチ”もあった(※残念ながらすでに廃番)。

使い方もアイデア次第でいろいろ。ちょっとしたプレゼントや結婚式のプチギフトに使う人もいれば、仏壇のお灯明を灯すために使っているおばあさんもいる。また、使うのがもったいない、と飾っている人や保管している人も多いそう。もちろん人生に悩んだときに、ふと灯してみたっていいだろう。
「普段の生活の中で、すでにマッチは実用品ではないけれど、顔をつけることで、実用品とは違う、“自分で眺めて楽しむ”、“人に見せて楽しむ”、“話のタネになる”といった、別の用途が生まれたのではないでしょうか。
なくてもいいけれど、あるとちょっとうれしい気分になれる、そんなマッチたちです」

海外からの問い合わせもたま~に来るそうだが、残念ながらマッチを海外に送ることができず、現在のところ販売は日本国内のみ。けれど新しい仲間は今後も増やしていきたいそうで、この冬には新作マッチ3種が某コンビニエンスストアで販売されるほか、3冊目となる本の出版予定もあるという。本は1年以上かけてのんびり準備した手芸関連とのことで、こちらも楽しみ。

鳴子のみならず、マッチは全国津々浦々に生息しているので(※鳴子限定マッチをのぞく)、ぜひ近所でお気に入りの一箱を見つけてみては。
(古屋江美子)