世界で一番平均身長が高い国ってどこか知ってますか? 
アメリカ? 残念。
ブルンジ? それ、どこにあるの?
韓国? 確かに、チェ・ホンマンは大きいけど、ちがいます。


正解は、オランダ。この男性の平均身長は約180センチ(※1)。平均ですよ、平均。女性でも平均身長は約167cm。これでは、オランダで野外コンサートに行っても、前がまったく見えそうにない。

そんな長身の国にも、トイレがあるわけなのだが、このトイレがすごい、という噂を耳にした。
なんでも、便器がとっても高いそうなのだ。オランダに旅行経験のある友人(男性)の報告によると、「小の便器を使ったときは、背伸びをしないと届かなかった」とのこと。

背伸びって、ホンマかいな。確かに、身長が変わればモロモロの高さも変わるわけだが……。調べによると、ドイツにあるメーカー「デュラビット(Duravit)」の便器が一部オランダでも使われているようなので、このメーカーの便器と、日本を代表するトイレメーカー「イナックス」の便器を比較してみた。

まずは洋式便器。
イナックスの洋式便器、アメージュVシリーズの便器の高さ(便座含まず)は37センチ。これに対して、デュラビットの主力便器である1930シリーズの便器の高さは40センチだった。ドイツ製は日本製よりも3センチ高い。あれ、そんなに変わらないぞ? すこし拍子抜けした。なーんだ、オランダのトイレもそんなに高くないんじゃない?

次に、小便器を調べてみる。小便器の場合、高さの基準があいまいになるが、今回は、便器が宙に浮いている壁かけ型の便器で、便器のふちで最も低い部分の高さを比較することとした。
まず日本製。イナックスのトラップ付小型壁掛ストール小便器を見ると、高さは50センチだった。これに対して、デュラビットのデュラプラスシリーズの便器を調べたところ、高さが70センチだった。えっ、オランダの小便器は、日本のよりも20センチも高いの? この違いは尋常じゃない。

70センチの便器を日本人は使えるのだろうか。厚生労働省の統計では、日本人男性の脚の長さは平均で79.1センチ(※2)とあった。
一応、頑張れば使えそうだが、かなりギリギリの高さであるといえる。

それにしても、日本人とオランダ人の平均身長の差は10センチくらいなのに、便器の高さは20センチも違うとは……。理由はやはり、脚の長さの違いだろうか。おそるおそる、オランダ人男性の脚の長さを調べてみたが、幸か不幸か、データは見つからなかった。

ちなみに、今回調査したデュラプラスの便器はオランダ以外の欧米諸国でも使われている可能性がある。ヨーロッパを旅行するときは便器の高さに要注意だ。


国が違えば便器も違う。便器を見れば世界がわかる! 調査を通して、そんなことを感じました。
(珍満軒/studio woofoo)

※1:2003年オランダ統計局
※2:2004年厚生労働省、高校3年生の平均身長、平均座高をもとに計算