おせちにお餅、酒、寝正月……。体重やら体脂肪やらが心配な時期だけど、以前から気になっていたのは、体脂肪の場合、はかるたびに数値が大きく異なることがあるということだ。


「うわ! すごい数値!」と慌てて、5分後に再度はかってみたら、「5%も減っていた、ああ良かった」……なんてことはちょくちょくある。

体重なら、「トイレに行っただけで1キロ減った」なんて話もよく聞くし、瞬時に変動するのはよくわかるけど、体脂肪ってアテにならないの? どんなときにはかるのが良いの?
体重計・体脂肪計でおなじみのタニタに聞いた。

「体脂肪の数値が一瞬で大きく変動した場合、考えられるのは、体水分が影響しているということです。体重計にのったとき、足に銀色の電極版が触れることで、体の水分量によって電気の抵抗をみて、体脂肪が決定されるんですよ」
どういうことかというと、筋肉の場合、水分を多く含んでいて電気を通しやすいが、脂肪は水分をほとんど含まず、電気を通さない性質があるのだとか。その性質を利用し、電気の抵抗によって体脂肪がわかるというしくみだが、問題は、体調によって水分量が異なってしまうこと。
「たとえば、水分が適度にあると、きちっと電気が通るのですが、朝起きたばかりだと、水分が全身にいきわたっていないため、体脂肪が高く出ることがあります。
また、お酒を飲んだ後など、脱水症状になっていると、体脂肪が高く出る傾向があるんですよ」
5分後でも大きく体脂肪が異なる場合には、「足に汗をかいてしまう」などが影響していると考えられるそうだ。

ところで、市販の体脂肪計の場合、足の裏ではかるものが多いが、これはなぜ?
「電気は左から右、右から左へと全身を流れるため、手ではかる場合には、足までいかなかったり、多少ブレる可能性もあります。足のほうがしっかり固定されるから、ブレが少ないんですよ」

ちなみに、風呂上りに体重・体脂肪をはかる人は多いが、体脂肪計の数値は「水分」と大きくかかわっているため、これはあまりお勧めではないそうだ。
「体脂肪をはかる際には、足の裏の水分をよくぬぐって、電極をきれいにしておくことが大切です。できれば、お風呂上りよりも、お風呂の前のほうが良いんですよ」

「体重は増えたけど、体脂肪は減った! ラッキー!」なんてのもよく聞くけど、これは残念ながら、あまり意味がないみたい。

また、体重をはかる場合と同じく、体脂肪も、毎日できるだけ同じ時間に決めてはかることが大切。
こちらもお忘れなく。
(田幸和歌子)