「沖縄の冬はすごく暖かいのに、地元の人はダウンを着てたりする。本当は暑いんだろうけど、ファッションとしてらしい」
そんな話をときどき聞く。
でも、これって本当?

ネットの質問掲示板などでも、正月に沖縄に行く予定の人からの「何を着ていけばいい?」といった質問に、「薄手の上着があれば十分」「ロンTぐらいで平気」「毛皮を着てた人もいた」「←そんなのウソ!」などと様々な意見が見られたけど……。実際はどうなのか。
沖縄の正月を探ってみた。

まず服装。19~20℃という暖かさから、那覇市内ではやはり上着ナシORパーカ、薄手のブルゾンぐらいの服装の人を多く見かけた。Tシャツだけの人もいた。

その一方で、毛皮はさすがに見なかったが、国際通りなど観光地を中心に、ダウンジャケット・厚手のコートの人も少なくはない。おそらく観光客で暑くてもガマンして着ている人もいるはずだし、地元の人らしき「Tシャツ+厚手のニット帽+自転車」なんて人もいた。

また、初詣は、本土と同じくお琴などの曲が流れてはいるものの、神社の境内に立ち並ぶ屋台の賑やかさにはちょっとビックリ。
初詣にオリオンビールの幟が出ているのも不思議な感じがするし、派手な電飾の屋台には、1台あたりそれぞれたくさんの定番屋台メニューが並び、そのなかにさりげなく「ヒージャー汁」「ソーキそば」「てびち」「ぜんざい」など、沖縄らしいものも混ざっていた。

さらに、おせち料理はというと……。
三越などのデパートなどではあるものの、一般的には本土で食べるようなおせちはないようで、デパ地下でも「重箱」に入った料理、あるいは、スーパーなどでは「寿」とかかれた、「オードブル」と呼ばれる総菜盛り合わせ料理が、たくさん登場していた。


那覇在住のタクシー運転手のおじさんは、こんなことを言っていた。
「沖縄は豚を食べてるから、わざわざ正月におせちを食べるとかしないでいいさぁ。暑いから、料理を作り置きして火を通さずに保存とかはできないんさぁ」

気温のほかに、ちょこっとずつ本土とは違った沖縄の新年。
ちなみに、この時期、すでに沖縄では「緋寒桜」という桜の花を見ることもできるので、一足早いお花見もお勧めです。
(田幸和歌子)