ここ数年、鍋の世界では“コラーゲン鍋”が流行していると聞いた。

出汁にコラーゲンを溶かしたタイプのものはもちろん、人気はコラーゲンのかたまりを“トッピング”する方法。
野菜を追加するように、コラーゲンの固まりを鍋に直接入れてしまうのだ。

コラーゲンのかたまりは、そのほとんどが無味無臭。どんな鍋に入れても味の邪魔にならない、と言うのが人気の秘密。それに料金が手ごろなこともあり、女性を中心に人気なのだとか。

実際にどれくらい浸透しているものか、お鍋屋さんに伺ってみた。
「昨年の末くらいからでしょうか。どんどん増えてきていますね。特に忘年会、新年会シーズンはすごかったです」
利用者は女性が中心だが、意外にも中年以降のサラリーマン男性にも好評なのだそうだ。

好評の理由としてあげられるのは、やっぱり美容と健康のため。さらには「年末年始は生活リズムが崩れる季節ですからね、自分への言いわけや罪滅ぼし的な意味で注文される人も多いです」と、お守り代わりに利用する人も。

しかしコラーゲンの固まりと言うが、これは一体どんなものなのか。業者から購入することも多いそうだが、中には自家製で作るお店もあるという。

作り方を聞いてみると、「豚足や鶏ガラなどをショウガやネギ、野菜のクズなどと一緒に煮込んで、こした汁を冷蔵庫で冷やし固めるだけです」と、作業自体は意外に簡単。
ただし煮込む時間は最低3時間以上とのことで、確かに手間はかからないが時間がかかる。

なにかと忙しい一般家庭で、このような時間のかかる物を毎度毎度作るのは難しい。
すると家でも手軽にコラーゲン鍋を楽しめるアイテムが、昨年9月に日本ハムさんから登場していた。
その名も“コラーゲン玉”。鶏コラーゲンから作られ、そのコラーゲン含有量は2000mg。

大きさは掌台ほどで、見た目は無色のゼリーのようだ。小さく見えるが、これひとつでスープ500〜750ミリ、2~3人前のお鍋に対応する。
ごくごく薄めの鶏ガラスープ風の味付けがされているものの、味の邪魔をしない程度なので、どんな鍋に入れても大丈夫。鍋にコクが出るため隠し味に使うことも。

コラーゲンを入れることで鍋が固まってしまいそうだが、スープで薄まるため残り汁が固まる心配もなし。さらに鍋料理に限らずカレーやシチューといった煮込み料理にも使え、幅も広がりそう。

なにより家で手軽にコラーゲン鍋ができるとあって、さっそくの人気商品なのだとか。

鍋の世界はモツ鍋、ちゃんこ、カレー鍋と、ブームが変わりやすい業界。が、流行のあとには定番となるパターンも多い。

コラーゲン鍋も、鍋の世界の常連となるか。
(のなかなおみ)
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