美容院で「○○(タレントの名前)みたいにしてください」っていう注文、したことありますか?

昔は、たまたま居合わせた客が「中山美穂みたいにしてください」とか「藤原紀香みたいにしてください」とか言うのを聞いて、「なんと大胆な!?」と思ったことがあったりしたけど、最近は、その手の注文をする人をあまり見なくなった気がする。

思えば、「聖子ちゃんカット」みたいな流行もなかなか生まれていないし……。

今でもやっぱりあるものなの? あるとしたら、どんな世代のどんな注文が多いの? 美容師さんたちに聞いてみた。

「タレントというより、モデルさんとか、ヘアカタログみたいなものを持ってきて、『これみたいに』っていう人はけっこういますよ」
と言うのは、都内の美容師の男性。
また、別の美容師の男性は、こう言う。
「タレントの名前を挙げるのは、『紀香(藤原)カット』あたりが最後かな。昔に比べて、今の若い子は、ちゃんと自分に似合う髪型がわかっていて、無茶な注文はしない気がします。今はタレントのマネというより、インターネットのヘアカタをプリントアウトして持ってくる人が多いですね」
美容師さんいわく「ちゃんと『自分』というものがわかってくる時期が、女性は低年齢化しているのでは?」とのこと。

その一方で、今でも男の子のほうが「○○みたいに」という注文があるのだという。
「たとえば、『ジャニーズの○○みたいに』という注文はありますね。しかも、『○△のドラマのときの』とか言われるので、ドラマをチェックしなきゃいけなかったり……」

「○○みたいな髪型に」と注文する女性はほぼ絶滅しているのか……と思ったら、埼玉の美容師の女性はこんな傾向を挙げてくれた。
「最近の髪型リクエストのダントツ一番は、『梨花ボブ』ですね。『ViVi』か何かの2月号に、『梨花が髪を切った!』みたいな企画が載って、それがやたらリクエストされるなあと思ってたら、3月号の『ar』に特集されてたから、全国的に人気だったのかな~と」
これは20代の女性に多い注文だそうで、雑誌で特集されたヘアーカタログを切り抜いて持って来るパターンが多いのだという。

「『あ、このモデル、ここでも載ってる……○○サロンと××美容室のヘアーモデル掛け持ちしてるのか……』とか、変なとこ見てます(笑)。
ヘアーカタログを一冊買うと、同じ子が何回も登場していて、『あ、この子またいた!』みたいな楽しみ方ができますよ(笑)」

他に多い注文は、意外にも(?)木下優樹菜だそうだ。
「『あのぱっつん前髪にしたい!!』と、チャレンジしてみて……やっぱり後で軽くするパターンは、ありますね。ぱっつん前髪は、最近、最も危険な香りのリクエストです」

「○○みたいに」なんて図々しい注文はなかなかできないものの、春だし、たまには 髪型を変えてみるのも良いかもしれません。
(田幸和歌子)
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