ここ何年か、いろんな店で、店員の名札に書かれた名前がひらがな化してる気がする。
僕の場合、行く機会の多いコンビニで特に、その印象が強い。
昔はそんな印象がなかったけど、最近はどこもかしこも、ひらがな名札のような気がする。

どうして名札の名前はひらがなになったんだろう。ひらがな名札を採用している、大手コンビニ5社に同じ質問をぶつけてみた。

「来店されるお客様の年齢層が幅広いため、お子様など誰が見ても名前が読めるようにと、ひらがなで書いております」
なんと、各社みんな同じ答え。これ以外に理由はないとキッパリ。いろんな意図があると思ってたけど、聞くのも恥ずかしいほど、当たり前の回答だった。
漢字にふりがなをふるよりも、大きな文字でひらがなだけを書いた方が、ひと目見てわかるからだという。

ところでコンビニでは、外国人の名札もひらがなになってる。例えば中国人の「り」さんや「ちょ」さん。この場合はもとが漢字だから読みやすいけど、「ぼぶ」さんや「すみす」さん、それに「むはまど」さんや「びくとーる」さんみたいになってくると、もともとカタカナなだけに違和感を覚える。ファミコン版ファミスタの、助っ人外国人みたいだ。そして一旦そういう目線になっちゃうと、「よしむら」さんや「なかはた」さんさえも、往年の名選手に見えてくる。


どうして、カタカナで書いた方が読みやすそうな外国人名も、わざわざひらがなで書いているんだろう?
「統一性をもたせて、ひらがなにしております」(サークルKサンクス)
「特別に理由はなく、同じように名札を作っているというだけです」(ミニストップ)
これも各社似たような理由だった。
“わざわざひらがなにしている”ってわけじゃなく、“わざわざカタカナにすることはない”って考え。読みやすさを求めるうえで納得はできないけど……全体を一緒にすることを優先した結果、みんなひらがなになっているようだ。

ちなみに冒頭で書いた「最近ひらがな化している」っていうことについて、各社に聞いたところ、そう最近でもないという。
「5年ほど前からひらがなになっています」(サークルKサンクス)
「名札をつけ始めた当初から、ひらがなです」(セブンイレブン)
各社導入時期はまちまちで、特別最近のことってわけじゃなかった。どうやら僕自身、前は気にしてなかった名札が、外国人店員を頻繁に見るようになったことで、最近ひらがな化してるように感じてたみたいだ。


誰もが読めるよう、ひらがなで書かれたコンビニ店員の名札。
外国人の名札に違和感があるとはいえ、なんだかかわいいから、それはそれでいいのかもしれません。
(イチカワ)