「春休みを利用して動物園に行った」なんて人もけっこういるかもしれない。
ところで、動物園に行くたびに気になるのは、肉食のライオンやトラのコーナーよりも、ヤギや鹿などのコーナーのほうが、強烈な「ニオイ」を放っていること。
人間の場合、野菜を多く食べる人に比べ、肉を多く食べる人のほうが、うんちが臭かったり、体臭がキツイということはよく知られているが、動物の場合は違うのだろうか。
動物園の飼育員さんに聞いてみたところ、こんな説明をされた。
「動物の場合も、草食動物のうんちのにおいより、肉食動物のうんちの方がずっと臭いですよ」
これはおならも同じとのこと。やっぱり肉食動物のほうが臭いのか。じゃ、草食動物がにおうのって?
「確かに、草食動物には独特のにおいがあります。これは植物に含まれる葉緑素が体内で変化し、においのもとになるといわれています。また、分泌物が影響しているものもいますよ」
そういえば、動物園や牧場などで、ゾウ、ウシ、ウマなどにハエが群がっているのを見ることはよくある。
ハエが寄り付きやすい人(コネタ既出)にあったように、これも「ニオイ」のせいだったりする?
害虫駆除のプロ・フマキラーに聞いてみると……。
「野生の動物と、人間を同じ尺度で考えてはいけません。野生の動物は、糞尿垂れ流しで、もちろんお風呂も入りません。イエバエは、本来糞尿に寄ってくる虫ですが、野生の動物は体中糞尿のにおいがしています」
ちなみに、牛馬を刺して吸血するコバエもいると聞くが、ゾウのように皮膚の厚い動物にあえてハエがたかるのって、なぜなんでしょう?
「ゾウに限らず、ハエ類は野生動物の皮膚の薄い部分によく集まっています。
ヤギや鹿のにおいがキツイことと、ゾウやウシ、ウマにハエがたかりやすいこととは、まったくの別問題。
肉食の人と、野菜を多く食べる人のうんちやおならのにおいの違いも、また別問題。
当然ながら、すべてが「清潔」「不潔」の尺度でまとめることはできないわけです。
(田幸和歌子)