季節の変わり目で不安定なお天気が多い今日この頃。コンビニや100円SHOPで売っているビニール傘のお世話になることも多い。
ビニール傘は透明で視界を遮らないうえ、軽くて安価。私も愛用しているのだが、その手軽さゆえ電車や飲食店などに忘れてきてしまっても、まっ、いいか……愛着を持ってもらえない、考えてみればカワイソーな存在。それに、似たような傘が何本もあるので他の人のものと見分けがつかず困ることもあるんですよね。
そんな風潮に一石を投じる!? こんなモノを発見しました。

その名も『casachment(カサッチメント)』。ありふれたビニール傘に小さなプラスアルファを付け加えることによって、「無機質などこにでもあるもの」→「自分だけの大切な愛着のあるもの」へと変えてしまうという優れもの。「使い捨て」の代表選手と思われていたビニール傘だからこそ、大事に使おうという発想の転換がとっても新鮮! 傘につけた姿もキュートで、憂鬱な雨の日もちょっとだけ楽しくなりそうです。

開発メンバーの一人である有限会社アートニクスの奥山さんにお話を伺ってみたところ、「物があふれているこの世の中に何を新たにつくるのか、本当に必要な物は何か、深く掘り下げた結果、エコやリサイクルの前に気負わずに出来るきっかけの提案ができないかと考えました」とのこと。ちなみに、カサッチメントというネーミングはどこから?
「傘につけるアタッチメント、これをそのまま造語にしました。商品の持つ軽やかさや遊び心を表せて、なおかつ使い方もわかるものがいいだろうということで。実は他に“カサッチ”という候補もあったのですが、やっぱりまじめにフルネームでいこうと(笑)“カサッチメント”に決めました」

ちなみに、モチーフはしずくをかたどった「ドロップ」と、太陽をあらわす「サン」の2種類。今のところ、「ドロップ」の水色がいちばん人気があるそう。
なるほど、これだと傘の下でしずくがゆれて踊っているように見えますもんね~。奥山さんいわく、「『ドロップ』は、雨そのものを楽しんでもらえるように。『サン』は、雨の日もこころは晴れやかに、という想いを込めています」とのこと。カップルや親子で、「ドロップ」と「サン」をペアでつけてもかわいいかも? 実際、自分用と周囲へのちょっとしたプレゼント用に2つ以上買い求める人も少なくないのだとか。

昨年秋の発売から半年以上が経過し、「雨の日の楽しみがふえました」とか「まちがって持っていかれることがなくなった」などのお客さんからの嬉しい声もたくさん届いているそう。また、先端のシリコンゴムの部分はとり外せるので、携帯ストラップなどに使うことも可能だそうですよ。

うーん、それにしてもスーパーなどでビニール袋をもらわないようエコバッグを持参するのはわりとあたりまえになってきた感がありますが、ビニール傘は意外と盲点だったかもしれません。かわいくゆれるカサッチメントが、“自分でできる、小さなエコ”を考えるきっかけになるといいですね。約2カ月後にやってくる梅雨にそなえ、あなたも愛用のビニール傘にカサッチメント、いかがでしょう?
(野崎 泉)

*『カサッチメント』は1個680円で、大阪のカフェ「ミリバール」、雑貨店「プリデリグラフィックラボ」、京都の「ANGER河原町本店」などで発売中!
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