今回紹介する吸盤付きのカメラマウントは、米デルキンデバイセズ社製『FAT GECKO』。製品名を直訳すると「ふとったヤモリ」ということで、外観と機能の特徴から名づけられたのだろう。日本では4月3日にデジカメ周辺機器販売のHSGiから発売。価格は1万3800円。
使い方はまず、カメラの三脚穴に連結。つぎに、取り付ける面の状態に合わせて、吸盤の角度を調整する。そして、2個所のボールジョイント部を動かしてカメラの向きを決める。さていよいよ吸着させるわけだが、吸盤のプレスボタンを押し、レバーを引き上げると簡単にピタッと張り付く。
かなり強く引っ張ってみたがはがれない。このふとったヤモリ、相当な根性がある。2.7kgまでのカメラを装着でき、滑らかな面に吸着する。
「本棚の横に、FAT GECKOを使って一眼レフカメラを貼り付けたところ、3日間付いていました。最後は自分で外したので実際どのくらいくっついていられるものかはわかりませんが」(HSGi)と脅威の粘り、持続力だ。ちなみに、レバーを下ろし吸盤をちょっと引っ張っればすぐはがれる。
垂直の壁だけでなく、ほかのものにも挑戦してみようと、辺りを見回すと、球体の石像があった。これは絶好と思い、早速吸着!
吸盤の角度を内側に向けて球面に合わせると、ピッタリ。こんなところに吸着して撮影することはあまりないだろうが、あくまで実験なので。
HSGi販売サイトなどでアピールしている用途としては、たとえばスノーボードや自動車に吸着させて動画撮影するなど。今回試した感触ではそのような使い方をしてもはがれる心配は少ないかも。ただし、絶対ではない。
以前、「タコのように巻きつく三脚を使ってみた」で紹介した『ゴリラ・ポッド』ように、FAT GECKOはふつうの三脚が立てられないような場所にでも使える優れもの。コンパクトなので、バッグに入れて持ち運びやすい。部屋の壁や街中の建物に貼り付けて、セルフポートレートでも撮ってみてはいかが。
(羽石竜示)