カレーには福神漬、すしにはガリ、ハンバーガーにはキュウリのピクルス……主食には定番の付け合わせがあるもの。やきそばの場合、それはもちろん紅しょうがだ。


どうしてやきそばには紅しょうがなのか。やきそばの本場、静岡県の「富士宮やきそば学会」に尋ねてみたが、はっきりしたことはわからないのだという。富士宮やきそばのルーツは駄菓子屋。その昔、子どものオヤツに、あるいは製糸工場で働く人々のオヤツ代わりに、店の一角でおばちゃんが焼いていたやきそばが広まったもの。同学会によると、付け合わせの紅しょうがは、脂っこくなった口をさっぱりさせるために自然発生的に生まれたものではないかという。駄菓子屋ではお好み焼きも焼かれていて、どちらにも青のりと紅しょうがが定番なのは、そのあたりに由来するのだろう。


さて、この紅しょうが、みんなはどうやって食べているのか。友人20名に聞いてみた。
○麺に混ぜてから食べる……7名
○麺にチョイチョイ乗せて食べる……5名
○別々に食べる……4名
○麺と紅しょうがを別々に口に入れ、口の中で混ぜて食べる……2名
○紅しょうがは食べない……1名
○気にしない……1名
「気にしない」はひとりだけで、他の19名はそれぞれに自分なりの食べ方のスタイルを持っていた。中でも「麺に混ぜてから食べる」派は、はっきりとした理由を挙げている。「味付けの一部にするため」「やきそばだけだとパンチがないから」「シャキシャキ感を味わうため」などもっともな意見に混じって、「(紅しょうがが)嫌いなので、麺に混ぜて味をごまかすため。残すのはイヤ」なんて声もあった。


ところで、取材を進めるうちに、「やきそばに福神漬」という変わった組み合わせに遭遇。秋田県の「横手やきそば」ではこれが定番だという。横手市役所のやきそば担当さんにそのわけを聞いてみた。
「詳しいことはわかりませんが、横手やきそばは子供のおやつ(外食)として始まったものです。子供に紅しょうがは辛いので、福神漬で代用したのでは、という説があります。あるいは、東北の人は(一般的に)漬物好きなので、福神漬になったのでは、という説もあります」

横手やきそばは、上に目玉焼きが乗るのが特徴的。
全国各地のやきそばサイトを見ているうちに、お腹が減ってきました。
(R&S)