ふとしたときに、つまみたくなるのがポテトチップス。食べ出すと、とまらなくなるのもそう。
さて、そんなポテトチップスで最近、少し変わったものを見つけた。それは、無印良品から発売されている「素のままポテトチップス・ウェーブカット」。「素のまま」と書いて「そのまま」と読む商品名の通り、「そのまま食べてもおいしい」をコンセプトに作られたものだ。

このポテトチップスは味付けがされていないため、じゃがいも本来の味が楽しめるのがポイント。さらに、数種類の味付けパウダーも別売りされているので、ふりかければ、いろんな味が楽しめる! という頼もしい商品だ。

さっそくこの商品について、いろいろ話を聞きたくなり、企画・発売元の良品計画宣伝販促室に問い合わせてみた。
まず、この商品を企画した経緯は?

「“無印良品”らしいポテトチップスはどういうものか? そう考えたときに、極力シンプルなものがいいという結論になりました。無印良品では、素材を大事にすること、無駄をなくして価格を抑える、といったブランドコンセプトがあります。しかし、いろいろな味のバリエーションのポテトチップスを作るとなると、それだけコストもかかるので、あえて何もしないで長く売れる商品を作ったほうがコストも価格も抑えられます。また、シンプルだからこそポテトチップスの可能性の広がりを考えられるとの思いから始まりました」

シンプルでクオリティの高い商品を生み出している、無印良品の良さが存分に活かされているよう。ちなみに、「素のままポテトチップス」は厚切りのウエーブカットにしていることで、より素材感が味わえる。素のまま食べても、じゃがいものうまみが味わえるのだそう。


それでは、「素のままポテトチップス」を作るにあたり、苦労されたのはどんな点なのだろうか?

「まず、大手がおさえているため、原料確保が難しい点があります。また、味なしというのはかえって手間がかかるんです。というのも、原料の混入を防ぐため、生産ラインを清掃した後、一番はじめに生産をしなくてはならず、生産予定を入れにくいからです。パウダーも3.5gという小袋規格は市場にはなく、本来業務用として数トン単位で取り扱われるものなので、パックしてくれる工場を探し、お願いするのに苦労しました」

別売りの味付けパウダーは、オーソドックスな「黒こしょう」や「コンソメ」などをはじめ、「塩昆布」、「マンゴーチリ」、「スモークチーズ」、「チキンくんせい」、「しいたけ」、「メープルシュガー」など、変わり種を含む全11種類。

「塩昆布」と「しいたけ」については、ネットストアで「こんな味のポテトチップスが食べてみたい」というアイデアを募集し、モニター調査を経て販売が実現したそうだ。ちなみに、味付けパウダーの最近の一番人気は、「スモークチーズ」だとか。


味付けの仕方は簡単。「素のままポテトチップス」の袋にパウダーを入れ、袋ごと振るだけ。そうすると、しっかりとパウダーがチップスに浸透して美味しいのだ。

さらに、「素のままポテトチップス本体の売上は常にベスト10には入っています。また、素のまま味付けをせずにサラダに使う、ポップコーンにも合うなどのご意見、ご感想が多いですね」と、昨年9月に発売をスタートして以来ずっと好評のよう。

私はまだ「黒こしょう」と「コンソメ」しか試していないので、これからいろいろ挑戦してみたい。
そういえば以前、知り合いの家で食べたのだが、パウダーをふりかける作業から盛り上がったので、手みやげにして、みんなでワイワイ、いろんな味を楽しみながら食べるのもおすすめ!
(田辺 香)