なぜか道路に、片方だけ靴が落ちていた。

この、ありそうでなさそうなシチュエーションは、「なぜこんな所に!?」と、見る人の想像を激しく駆り立てる。
しかし、その疑問は解決することなく、見た人の記憶の奥深くに消え去ってしまう。

なぜ、道端に靴が、しかも片方だけ忘れ去られるのか? 知り合いで実際に片方だけ靴を落としたことがある人に、その理由を聞いてみた。

まず得られたのが、「原付で落とした説」。ある男性によると、スクーター式の原付で買い物をして帰る途中、ふと気付いたら左足の靴がなくなっていたらしい。スーパーまでは確実に履いていたので、原付に乗っている途中で脱げた可能性が高いとのこと。

しかし、原付で靴がそんなに脱げるものだろうか? 知人によると、「停車中は足を地面につけて、発進するときにスクーターに乗せるんだけど、そのときにかかとが引っかかって脱げそうになることがある」とのこと。
お気に入りの靴を履いて原付に乗るときは、慌てず騒がず、静かに発進することが重要である。

次に、「車で靴を履き替え説」を紹介したい。とある女性から得られた証言である。「車を運転するとき、運転用の靴に履き替えて運転しているんだけど、車に乗りこむとき、ドアの前で運転用の靴に履き替えて、もとの靴を忘れてきてしまった」とのこと。

しかし、この場合、靴は片方ではなく両方揃って放置されている可能性が高いのでは? と、女性にツッコんでみたところ、「履き替えるとき、もとの靴は車の上に置くのよ。そのまま車を走らせて、片方ずつ車からポロリと靴が落ちていくんだと思う」との回答が。
場合によっては、後ろの車がパッシングなどして「異変」を知らせてくれることもあるみたいだが、多くの場合は気づかないままらしい。その人が運転時に靴を履き替える理由は、「ヒールのある靴だと運転しにくいから」とのことであったが、人によっては車内を土足禁止にしており、「上履き」に履き替える人もいるらしい。

またこれ以外だと、「酔っぱらって、次の日気付いたら片方だけ靴が無かった」という証言も。案外、これが一番多いのかも……。

では、人は片方だけ靴をなくすと、どのような行動に出るのか? 経験者によると、「まず警察に届け出て、そのあと、靴屋に片方だけ売ってくれないか聞いてみた」とのこと。しかし靴販売チェーンのABCマートによると、「片方だけ売ってほしい、という問い合わせはまれにありますが、当店では片側だけの販売は行っておりません」とのことで、片方だけ購入するのは難しいようだ。


つまり靴を片方なくすと、両方なくすのと同じくらい辛いわけだが、経験者によると、「片方が残っている分、なんとかしてもう片方取り戻せないかという思いが強くなり、両方なくすよりも辛いかもしれない」とのことであった。
(珍満軒/studio woofoo)