テレビ売り場を見渡すと、大型テレビのボディカラーはほぼ黒一色。この現象はどういうことなのか。
ちょっと不思議に思ったので、テレビメーカーに聞いてみることにした。

「テレビの色はブラウン管の時代から、自動車と同じようにトレンドがあります」と薄型テレビ『レグザ』シリーズを製造・販売する東芝。
――つまり、黒が流行色ということ?
「シルバー色がトレンドの時代もありましたが、近年は黒が流行っています。もしかすると、また明るい色がトレンドになる時代が来るかもしれません」

――どうして黒やシルバーが流行したのだろうか。
「一般的には大きなサイズのテレビは、部屋での存在感が強いので、あまり目立たない無難な無彩色の黒やシルバー系が好まれます。一方、小さいサイズのテレビは部屋のアクセント的な感覚で、有彩色の青、ピンク、赤などのテレビを選ぶユーザーが多いです」
――逆に、ボディカラーとして不適当な色はないのか。

「自動車の色に不適当の色がないのと同じで、テレビに不適当といえるような色はありません。すべてはユーザーの好みです」

――設置する部屋の明るさ、光の色、壁紙の色などとボディカラーの適正な関係はあるのか。たとえば、白い部屋には白いフレームのほうが見やすいなど。
「部屋の配色とテレビのボディカラーの関係は、部屋に合った家具の色を選ぶときと同じような感覚でしょう。白い部屋には白いテレビを設置すると、フレームが目立たなくなるので部屋が広く感じます。
他方、黒いテレビの場合はモダンな高級感が得られます。
また、白い部屋に小さいサイズの赤いテレビを置くと、さきほど説明したように部屋のアクセントカラーとなるわけです」

結論として、テレビのボディカラーはあくまでユーザーの好みや部屋の色に依存しているということだ。
常識的に考えると、あまり派手な色のボディカラーのテレビは敬遠されるだろう。筆者も、どんな部屋の色にも合い、高級感のある黒がベターだと思う。
(羽石竜示)