体が冷えたからじゃない、黒板をひっかく音を聞いたときみたいなゾクゾク感。
同じように木の味がどうも苦手だっていう人、少数派ながらいるんじゃないだろうか。
カップアイスは、プラスチックか金属のスプーンで食べればいい(木のスプーンより融けやすいけど)。でも、棒アイスはどうすることもできない。棒になるべく歯や舌が触れないよう食べても、やっぱり木の味はする。たとえ棒を抜いても、木の風味が染み付いてるのか、まだ味を感じる。
木の味が苦手な人でも、棒アイスを美味しく食べる方法ってないんだろうか? 株式会社ロッテアイスに話を伺った。
「直接研究を行ったことはありませんが、木を噛まないようにするなど木を傷つけないことや、直接舌を触れないようにする程度しか、現状で方法はないかもしれません」
アイス選びで、どうにかならないもの?
「ミルク系(バニラアイスなど)に比べて氷系の方が、若干ですが木の味を感じにくい傾向があります。これは氷系の方が強い味のアイスが多く、木の味が隠れるためです。また、棒にくっついたアイスを最後は舐めることが多いミルク系と比べて、アイスがはがれやすい氷系は、舌が木に触れる可能性が低いですし」
ん~、やっぱりこれまで経験則でやってきたようなことしか、方法はないみたいだ。
そもそも、どうしてプラスチックじゃなくて木の棒が使われてるのかというと、主な理由は2つある。
それは、表面が滑らかなプラスチックでは、アイスが抜け落ちやすくなってしまうこと。そしてマイナス20~30度で冷凍保管した場合、プラスチックだと割れやすくなってしまうこと。
そして、現在木の棒に使われている白樺は、木の中でも味が出にくい部類だという。これがメーカー側が行っている配慮といえそうだ。
最後に。これからも木の棒は使われ続けるんだろうか?
「そうですね、先ほど申し上げた通り、アイスが抜け落ちにくく、冷凍保管で割れにくいですから。またプラスチックは化学系ということで、嫌がるお客様もいらっしゃいます。木の棒は安心して口に入れられる素材でもあるんです」
ちなみに棒自体を舐めなくても木の味を感じちゃうのは、アイスに木の味そのものが染み出てるわけじゃなく、香りが移ってるからなんだとか。だからって鼻をつまんで食べちゃうと、当たり前だけど、木の味だけじゃなく、アイスの味まで感じなくなるからご注意を。
わからない人はわからない、棒アイスのゾクゾクッていう感覚。
たくさんの人が共感するようになったとき、問題はようやく解決へと動き出すのかもしれません。
(イチカワ)