そこで、音域の広さやノイズキャンセルなどの性能を重視して選んでいる人も多いと思う。
ところで、最近気になっているのが音が出る部分の穴の数だ。
「これってもしかして、音質に関係があるのかな」という素朴な疑問が湧いてしまった。
そこで、早速イヤホンメーカーのオーディオテクニカに聞いてみたのだが……。
まず、通常のイヤホンで一般的にどのくらいの数の穴があり、そしてどんな形状なのか。
メーカーの第一声は「いやぁ、それは難しい質問ですねぇ」
「どうして難しいのか」と聞き返すと、
「穴の数や形状は各メーカーそれぞれにノウハウを持っておりまして……一概にこうだとは説明できないのです」
それでも、なんとか回答が欲しいので食い下がると、
「一般的な平均を申し上げるのはやはり難しいのですが、当社で言えば多いタイプのものは、真ん中に丸い穴がひとつありまして、その周りに12個前後の丸い穴がある場合が多いです」とのこと。
いよいよ、本題。穴は音質に関係あるのか。
「イヤホン出力部(バッフル)の穴の数や形状は音質に影響します」
やはりそうか。では具体的には、
「さきほど説明した通り、そこはメーカーのノウハウが絡んでいる部分になるので、具体的なことは説明できません」
また、「バッフルだけで音質をつくっているわけではなく、イヤホン自体の形状、ドライバーの種類、材質、装着感のトータルバランスによって音質を決定していくのです」
ちなみに最近は、カナル型とよばれる耳栓タイプのイヤホンが人気で、遮音性や装着感、そして音質が優れているという。
イヤホンの構造と音質の関係はかなり奥が深い。残念ながら、穴の数の音質に与える影響まではたどり着けなかった。
(羽石竜示)