「免許費用は、年齢×1万円」なんていう言い方をする人もいた。
実際、自分は学生時代にとったが、かかった費用は20万円台後半程度。年齢より高かったが、友人・知人もやっぱり同程度が多かったのに比べ、40代でとった知人は「40万円かかった」と、50代でとった母の友人は「50万円以上かかった」と言っていた。
今でもやっぱり同じことが言えるのだろうか。
カラダの機能的には若い頃のほうが有利だろうが、それにしても、それほど年齢によって費用が異なるもの? NTTグループ「免許の窓口」に聞いた。
「当社は関東の通学校をメインに展開しておりますが、年齢がかなり上だという場合は別として、一般的には今は『年齢×1万円』ということはないですね。そもそも『年齢×1万円』と言われていたのは、30歳ぐらいからですよね? 20代でももともと30万円前後はかかった地域が多かったですから」
もともと20歳でも、「通学」では20万円では取得できなかったそうで、さらに以前は30歳以上になると、年齢とともに高くなるのが一般的だった。だが、今は30代以上の人の料金が変わってきているという。
「今は、保障つきコースを導入している学校が多くなっているんですよ。『とりきり安心パック』のようなもので、細かい但し書きはあるものの、料金の上限が決まっているコースですね。『20~25歳まで』『30歳まで』『40歳まで』など、学校によってバラバラですが、年齢に応じて上限が設定され、どこまで保障がつくかが変わる掛け捨てタイプが増えています」
つまり、「40歳で40万円で免許をとった人」「50歳で50万円で免許をとった人」などにとっては、今は「とりきり」の保障があるため、安心してチャレンジできる学校が増えているということ。
また、エリアによる違いもある。
「免許費用は、県単位などではなく、もっと細かなエリアごとに設定されています。これは単純に、教習所が近場に何軒あるかという違いですね。そのため、今は競争が激しいダンピング状態のエリアでは、値崩れしており、20代で22万円~24万円ぐらいでとれるところもありますが、安定した地域では昔と同じく30万円前後です」
今は昔に比べ、「とりきりパック」の増加と「エリアごとの差」によって、免許費用と年齢は比例しなくなっているのが実情のようだ。
ちなみに、近年の傾向としていえるのは、「自宅派が増えていること」だとか。
「昔から『自宅から近い場所』を選ぶ人は多かったですが、今は自宅派が、学校の近くやお勤め先の近くより、圧倒的に多いんです。学校帰りや通勤帰りなどの時間には通いたくないという人、免許のためにプライベートを犠牲にする人が少なくなっているんですよ」
クルマとの付き合い方も変わり、免許取得事情も、あれこれ変わってきているようです。
(田幸和歌子)