味噌汁を作るとき、だし入りの味噌を使うのに、だしの粉も入れてませんか?
トイレでタンクの手洗い部分に芳香消臭剤を付けてるのに、置き型の芳香消臭剤も置いてませんか?
洗濯のとき、柔軟剤入り洗剤で洗ってるのに、柔軟剤も入れてませんか?

重ねて使いがちなモノたち。その中で今回は、柔軟剤入り洗剤と柔軟剤を一緒に(もちろん混ぜずに)使うことを調査。
効果が薄れるようなことってないんだろうか。柔軟剤入り洗剤・ボールドを販売しているP&Gに話を伺った。

「柔軟効果を高める仕組みというのは、まったく違うテクノロジーになっているため、ぶつかることなく併用できます。むしろ、柔軟効果や香りは高まる傾向にあります」
なんだ、両方入れても問題なかったんだ。

でも香りが混ざっちゃって、変なニオイになることってない?
「そうですね。組み合わせによっては、パッケージに書かれている香りが発揮できなくなることもあります。ただ、柔軟剤はすすぎのときに入って、香りが上からかぶさるので、その柔軟剤の香りの方が強く残ることが多いです。あと、柔軟剤入り洗剤の香りと柔軟剤の香りを組み合わせて、楽しんでいる方もいらっしゃるようです」
ファミレスのドリンクバーで、2種類の飲み物を混ぜてるみたいだ。メロンソーダとカルピス、みたいな。

しばらく前まで数十年間、衣料用洗剤の開発は「いかにキレイに洗うか」の勝負が続いていたという。“主婦は家族のためにキレイに白く洗い上げる”という価値観のもとで、洗剤は進化してきた。
ところが洗剤に充分な洗浄力が備わり、使う側の価値観が多様化すると、主婦の中には「家事を家族のためだけじゃなくて、自分のためにも楽しみたい」という人が多く現れた。
毎日の退屈な洗濯の中で、楽しむ術を探し始めていた。
そんな様子を察知したP&Gが、海外で売られていた柔軟剤入り洗剤を日本に持ち込み、2002年8月に日本初の柔軟剤入り洗剤・ボールドが発売された。楽しさは、柔軟剤が入ったことでのちょっとしたやわらかさや香りで実現。ボールドは受け入れられ、各社から続々と柔軟剤入り洗剤が発売されるようになった。
つまり柔軟剤入り洗剤には、手間を省けるだけじゃなく、主婦が楽しく洗濯できるようにっていう、意外な出発点があった。

もちろん柔軟剤入り洗剤があれば、柔軟剤を使わなくて充分。逆に柔軟剤があれば、柔軟剤入り洗剤を使わなくていい。ただ、単調な家事を楽しみたいとか、より香りを楽しみたい人は、柔軟剤入りと柔軟剤を一緒に使えばいいってわけだ。

ちなみに冒頭で挙げた「だし入り味噌」や「トイレの芳香剤」についても、それぞれのメーカーに聞いた。答えは同じだった。
「好みで一緒に使っていただいて問題ないです」

メロンソーダとカルピスを混ぜて美味しいかどうか、そもそも混ぜることをアリと思うかナシと思うかというように、どれも最終的には使う人の考え方、好みの問題でいいようだ。
(イチカワ)
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