学校は、世の中の新年度よりも何日か遅れて始まる。
だいたい毎年4月の第2週で、今年の入学式は4月6~7日前後の学校が多い。


4月1日に始まる大人社会と比べると、子ども社会はスロースタートだ。
わざわざそんなずらさずに、もっと早くから始めることって無理なんだろうか。
小中学校の日程を定めている市区町村の、いくつかの教育委員会に伺ったところ、どこからも同じような答えが返ってきた。

「教職員が準備する期間として、4月1日から数日間とっています。日本社会が新年度を迎える4月1日から学校に出て、さまざまな準備をしますと、どうしても第2週くらいになってしまうんですね」
まあそっか、スロースタートにせざるを得ないのか。

準備って、そんな大変なんだろうか。知り合いの小学校の先生に聞いてみた。
「そりゃ大変だよ。学校全体、学年、学級と、これから1年間のいろんな準備を、4月の数日間である程度やらなきゃならないからね。学校が始まってからよりも遥かに忙しいよ。例えば体育の先生たちが、秋の運動会の内容を話し合うくらい、先のこともやってるから」

具体的な内容って、他にどんなことがある?
「例えば担任の先生は、クラスを1年間どう作っていくか、どう授業を進めていくか、テストや宿題はどんなものにしていくかなど、計画を立てるよね。学年でも集まってそういうことを話し合ったり、宿泊訓練や遠足の内容、どのクラスがどの場所を掃除するか、みたいなことも決めるよ。
とにかく、年間で行うあらゆることだよなぁ」

あと、事務的な作業も意外と面倒臭いらしい。
「担任になると、教室のロッカーや靴箱に子どもの名前を貼るような単純作業もいろいろあって、結構大変だったりするよね」

じゃあ、4月2日とか3日に始業式をやるなんて無理?
「無理無理! 準備しきれない! 個人的に4月に入る前から準備してても、正直もっと時間がほしいくらいだよ」

先生の1年間の準備として必要だった、4月の学校が始まるまでの数日間。
子どもたちは子どもたちで、そろそろ学校が始まるっていう気持ちになることが、ちょうどいい心の準備になってるのかもしれません。
(イチカワ)
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