まず、カビはカメラのどこに生え、どのような影響を及ぼすのか。
「レンズにカビが生え、画質が劣化します」(ペンタックス広報)
「レンズにカビが発生すると現像した写真がボケたり、白っぽくなったりします。また、レンズの修理代が1~3万円ほどかかる場合があります」(トーリ・ハン)
そうそう、筆者も経験がある。レンズを覗き込んだとき、白いカビが生えていた。急いでカメラメーカーのサービスセンターに持ち込んで、見てもらった。すると、
「ひどい場合はレンズ交換になりますよ」と言われた。
カビがひどくなるとレンズ上のコーティングを侵食してしまう恐れがあるからだ。レンズ交換となると修理代はかなり高くなる。幸い、筆者のケースではそこまでひどくはなかった。
「高温多湿の場所での保管はカビの原因になります。なので、乾燥した風通しのよい場所にカメラケースから出して保管してください」(ペンタックス広報)
だが、失念してカメラをバッグの中に入れっぱなしにしてしまうことも。
「ならば、カビに強いカメラ――防水デジカメを使ったらどうだろう」と思いついた。ふつうのカメラよりはるかに密閉性が高いのだから、カビの発生原因である湿気がボディ内に侵入しにくいはずだ――と考えて防水デジカメの購入を検討。で、購入前にカメラメーカーに確認してみたら、
「防水デジカメだからといって、カビが生えにくいとは言い切れません。電池交換時にカメラ内に湿気が入ってしまうことも考えられます」(同)
確かに、電池交換の際、どうしてもボディを開く必要がある。残念。ということで、やっぱりカビ対策は必要なのである。
「防湿庫に入れること。または密閉度の高いボックスにシリカゲルを入れて管理することをお勧めします」(トーリ・ハン)
防湿庫はカメラ専門店に行くと、たいてい売っている。それだけ需要があるということ。プラスチックの箱に乾燥剤が入っているだけの簡単なものから、まるでショーケースのような高級ドライケースまで種類はいろいろだ。
これからは大事なカメラをカビから守るシーズン。対策を怠るとカビだけでなく思わぬ失費も発生しますよ。
(羽石竜示)