“靴下を履かない”と言えば石田純一だが、私は靴下は履いた方がいいと思う。臭いとか、蒸れとか、感覚的なこととか、色々な理由から。

「靴から靴下がハミ出て見えるのが、カッコ悪い」という意見にも、浅履きのソックスで対応できると思う。丈の短いバージョンで、まるで靴下を履いていないかのような振る舞いを。

だが、悩みがないわけではない。浅履きソックスだと、歩いてるうちに靴の中でズレてって、しまいには脱げちゃったり。アレが、けっこうイライラする。

実は、ソレもこの靴下で対応できる。株式会社ナイガイが開発した『オープンソール』が革命的。
画像を見てほしい。おもいっきり、土踏まずの部分に穴が開いている。なんで、こんなヤンチャな施しを? 直接、同社に伺ってみた。
「浅履きのソックスは、歩行時に伸縮して脱げやすくなりますよね。そこで、土踏まずの辺りに4センチほどの穴を開けたんです」
歩くと足が伸びたり縮んだりするので、自ずと靴下も引っ張られることに。
だから、ズレちゃったり脱げちゃったり。でもその伸縮をこの穴が吸収。これで、もう脱げない!

実際に、私も試してみました。
いざ履いてみると、さすが浅履き。すでに脱げてしまいそうな予感がしてしまうのだが……。「大丈夫か?」という不安を抱えながら、革靴を装着して近所を歩き回ってみました。
当然、歩くたびに靴も動く。上下前後左右、微妙に靴も揺れる。しかし、どうしたことか靴下は足にフィットしたまま。微動だにしないのだ。これには驚き。まさに“動かざること山の如し”とたとえたくなるような。

でも、それだけでは飽き足らない私。イジワルにも走ってみたり、ジャンプしてみたりした。だけど脱げない。驚くべき安定感。信頼できるヤツである。

この商品、実は遡ること8年の2002年に“春夏もの”として開発された靴下だという。キッカケは、女性のパンプスの中に履く靴下を製作中のこと。基本、パンプスを履く際に靴下は履かない。だって、カッコ悪いから。そこで、同社は履いてるように見せない“浅履きソックス”の製作に着手。
しかし、パンプスを履くということは、ヒールがあるためにかかとが上がっている状態になる。これは、実は靴下が一番脱げやすい体勢。
脱げやすいなら、かかと部分を大きくして安定させ、脱げにくくするのが通常。でも、“浅履き”でそれをするわけにはいかない。なぜなら、見えちゃうから。元の木阿弥なのである。
そんな課題を抱えつつ、1年越しにようやく“穴あき”という手段にたどり着いてみせた。

そして、それを今度はメンズ用にも展開。当時、男性向けの“浅履きソックス”自体が認知されていなかったが、同社は思い切って舵を切る。それからは、『オープンソール』が同社の看板商品のひとつに。

そんな経緯から、この『オープンソール』はメンズ、レディス、ともに展開されることとなった。
色はメンズが、黒、ネイビー、グレー、ブラウン、白、の全5色。レディスが、黒、ベイジュの全2色で、価格は1,050円(税込み)。ビジネス向けの靴下で、生地は薄めになっている。


そして、この“穴”。あくまで、ズレを防ぐために開けられたものだが、暑さ対策としても最適かも。穴が開いているんだから、単純に風通しがいい。
履きツブしてできた穴じゃなくて、狙って開けられた穴。しかも、蒸れにも対応してみせる。従来の靴下の穴が持つイメージとは真逆の、“清潔感”を感じさせる穴。革命である。
(寺西ジャジューカ)
編集部おすすめ