だんだん暑くなってきた。これが1カ月、2カ月経つと……。
ヒィヒィ言うほどまいってしまうのは、火を見るより明らか。
そんな時の必需品が、タオル。ダラダラ流れ出る汗を拭うために、街に、スポーツに、野外フェスに欠かせない。
ただ、汗を拭いても暑いものは暑い。

「そんな時こそ」と言わんばかりの、特別なタオルがあるらしい。ミアドリームトレーディング有限会社から発売されている『クールコンフォートテクノロジータオル』が、まさに夏にうってつけ。


何が特別なのか? このタオル、引っ張ったりして“パンパン!”と刺激を与えると、自分で勝手に冷たくなってくれるらしいのだ。
使い方は、タオルを水またはお湯につける。そして、しっかりと絞る。次に“パッ!”と広げて生地に刺激を与える。すると、タオル自身が冷却効果を発揮して、そのまま数時間は冷たさを持続するというのだ。

しかし、わからない。
原理はどうなっている? その辺を、同社に伺ってみた。
まず、タオルを水に含ませる。そして水が蒸発すると、同時に気化熱を奪っていき、冷たくなる。ここまでは、どんなタオルにでも起こる現象。しかし、このタオルでは、蒸発する時間を調節する機能が備わっているらしいのだ。
たとえば、普通のタオルを太陽に当てれば当然干からびるが、このタオルはすぐには干からびない。
理由は、糸の編み方だったり、生地の使い方だったり。その技術によって、水分が蒸発しながらも、完全には蒸発しないという。蒸発しきらなかった水分は、再び浸水性のある生地に戻っていく。
そこから再びタオルを振動させてみる。すると、タオルに2度目の蒸発をうながす結果に。蒸発が起こると気化熱が奪われるが、またしても水分が完全には蒸発しきらない。
この繰り返しである。
要するに、道路に水を撒き、水分が蒸発することで地面の熱を奪う“打ち水効果”の連続と考えていただいたら、わかりやすいだろうか。

では、どのくらい冷却効果があるのか? 同社の実験によると、26度の室内で6時間もの長時間、冷却効果が持続したとのこと。これは、夏に心強い。

実は、このタオルはアメリカ生まれの製品で、すでに10万枚の売り上げを記録している大ヒット商品とのこと。
また、使い道はタオルだけではないらしい。
エクアドルのサッカーチームでは、正式にユニフォームの生地として採用されているそうだ。

今回の『クールコンフォートテクノロジータオル』は、同社のウェブサイトか東急ハンズ名古屋店で、6月中旬から発売される。価格は、1,575円(税込み)。

今後の用途としては、ランニングシャツ、ゴルフ用ポロシャツ、帽子、トレーニングウエアとしての使い道も考えられている。
また今年の冬には、“おでこ冷やし”としての商品化も計画中。この生地は、前述の「蒸発」と「吸収」の繰り返し機能で、表面が濡れないのらしいのだ。
だからこそ、寝ながら巻いても布団が濡れることはないし、何度も氷水に浸す必要もナシ。

このタオル生地が常識となり、世間のいたるところで使われることになったら……。そんな時代が来ることを願ってやまない。
(寺西ジャジューカ)