レンズ交換式デジタル一眼の悩み、それはレンズ交換の際に外からホコリが入り、それがイメージセンサーに付着して画質が悪くなること。

その問題に対応して、現在のデジ一眼のほとんどは「センサークリーニング機能」を搭載しているわけだが、果たしてそれですべてのホコリが落とせるのか。
いち早くホコリ問題に取り組んだオリンパスイメージングに、ホコリ除去について質問してみた。

ホコリがイメージセンサーに付着すると、黒いシミのようなものが写り込んでしまう。そこで、同社はクリーニング機構(ダストリダクション)を開発。センサーを振動させ、その慣性力(ホコリの重さ×振動加速度)でホコリを付着面から引き剥がし、静電気や分子間力が働かない距離まで飛ばすという仕組みだ。

「付着して問題になるのは当社の場合、数十μm(マイクロメートル)レベルの空気中に浮遊するホコリです。それよりも小さなホコリは写りこまないようにイメージセンサー面からホコリ付着面の距離をとった設計になっています」という。

つまり、画質影響がある大きさのホコリ除去にターゲットを絞っているわけだ。

さて、本題。除去できるホコリとできないホコリの違いは。
「大きく重いホコリほど除去する力を加えやすいので、結果とて除去しやすいです。逆に、小さなホコリの場合は重さがないため、静電気や分子間力よりも大きい引き離す力を働かせにくいので、除去が難しくなります」

基本的に小さくて軽いホコリが苦手ということ。それだけではない。

「大きく重いホコリであっても付着力が大きなものは除去できません。付着力が大きなものの代表は接着剤です。また、類似のものとしては粘着剤とか、液体があります。結露で付いたホコリもそのひとつです」

では、クリーニング機構で取れないホコリが付いた場合はどうすれば。市販のセンサークリーニングキットを使ったほうがいいのか。
「ブロアーを使って吹き飛ばすこともできますが、粘着力のあるものはサービスセンターでの対応となります」
どうしても落ちないホコリはメーカーの修理窓口に持ち込んでキレイにしてもらうわけだ。


電子の眼(イメージセンサー)はとてもデリケート。たかがホコリと侮れない。「画質がちょっとおかしいな」と思ったら、最寄のサービスセンターでチェックしてもらったほうがいいだろう。
(羽石竜示)