酒離れだなんだのと言われていたって、夏にはやっぱり氷入りの冷たいお酒の売上があがる。
昨年くらいからハイボールが市場を賑わし、さらにワインに氷をたっぷり入れた“かち割ワイン”が居酒屋を中心に人気上昇中だ。


氷をガンガンに入れた飲み物は、身体に悪そうだなあ。なんて思いながらも夏には止められない。
そんな氷×酒の関係。氷から縁遠いと思われていたビールにまで、その手が及んでいた。

そのお酒の名前は“オンザロックビール”。秋田でビール醸造をしている湖畔の杜さんが、2年前から作られているこのビール。
氷を浮かべて飲む、その名の通りオンザロック専門のビールなのだ。

氷を加えることを想定し作られているので、非常に濃い色合い。味わいもしっかり目で、氷が溶けても耐えられる濃厚ボディ。
「氷を入れて飲むと焙煎した麦芽の香ばしさが立ち、アイスコーヒーのような香りが楽しめますよ」
と、湖畔の杜さん。

飲み方はグラスにたっぷりの氷を入れて軽くひと混ぜ。グラスが冷えたら氷の上から静かにビールを注ぐだけ。
ビールに氷を加えるのではなく、氷の上にビールを注ぐのがポイントだ。
氷が触れてもふんわりきめ細かな泡は潰れず、さらにキュッと締まった冷たさを楽しめる。

度数は6%で、普通のビールよりも少し高め。しかし氷を入れて飲むせいか、それほどキツさは感じない。もちろん氷を入れずに飲んでも大丈夫だが、入れたほうがより美味しさを堪能できるそう。

もともとこの形式、日本どころか世界でも珍しい。

日本のドライなビールよりも、どっしりとしたドイツのビールの方が似あいそうな物だが、ドイツではビールを冷やして飲む習慣が無いそうだ。
それなら試しに普通の日本ビールに氷を入れて……なんてことをすると、薄まってしまってちょっと残念な感じになってしまう。
好みにもよるだろうが、氷を入れて飲むのならやっぱり専用ビールにしておくべきだ。

このビール、容器は瓶のみで、330ml、600円。販売時期は毎年7月頃から9月頃までの限定販売。なぜ夏限定かと言えば、暑いから。
氷に合う時期だけ販売なのだ。さらに数量限定で、無くなればその年はそれでおしまい。
今年は7月16日から成城石井を中心に販売開始(一部取り扱い無い店舗もあり。気になる方は店舗へ直接お問い合わせを)。

ビールがちょっと苦手な人も、夏バテ寸前の人も一度試してみては。
(のなかなおみ)