まずは何も言わずにこのサイトを見て欲しい。
 
関西サイクルスポーツセンター(注意・音がなります)
 
おお……少女が風のように駆け抜けた!
サイトを開いた途端聞こえてくる、アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」にも使われている今人気上昇中のホーン系ガールズバンド「オレスカバンド」による「自転車!自転車!」の歌声。
それに乗せて疾走する少女の姿を描いたアニメのあまりの清々しさに衝撃を受けました。え、なにこれ。こんなに表情豊かな少女が自転車をこいでいる素敵アニメが関西で放映されているんですか!? 
ぐいぐい動くアングル、洗練されたキャラデザイン、滑らかで元気溢れる動き。これはただのアニメーションレベルじゃないぞ!

若者、青春、全力、ドキドキ

早速このアニメーションCMを作った制作担当の高橋俊臣さん(*高=ハシゴ高)にインタビューをしてみました。
 
ーーどのようなスタッフでこのCMは作っているんですか?

高橋「アニメーション演出は徳土大介、キャラクターデザイン・作画監督は西垣庄子で制作しています。曲を作った「オレスカバンド」は大阪出身で、「自転車」という曲のヒットで関西サイクルさんになにか提案できないかなと、まずセンター内でのイベント提案を持ちかけたところ好評で、CM起用まで話が発展しました。その後、CM出演も含めて企画し、現在の形に落ち着きました」

演出の徳土大介さんは、アニメ「亡念のザムド」「東京マグニチュード8.0」で演出を手がけておられます。
西垣庄子さんは『カイバ』「天元突破グレンラガン』で原画を描かれています。
また最近だと独自の世界観とアニメーション描写でネットでも広く話題を呼んだ「四畳半神話大系」で作画監督をされています。
まさに今をときめくスタッフさんで作られているCM。アニメファンを唸らせ、かつアニメを普段見ない人をもワクワクさせる映像の誕生ですよ。

ーーアニメーションに踏み切ったきっかけはなんですか?

高橋「まず、オレスカバンドの「自転車」という非常に関西サイクルと親和性の高い音楽を使用することから企画は始まりました。
バンドのメンバーは20代の女の子。関西サイクルの戦略ターゲットもちょうどこの年代です。そこで、4つのキーワード(若者、青春、全力、ドキドキ)を出し、効果的に表現できるアウトプットとして、アニメーションを選びました。若者だけでなく、幅広い年齢層にも受け入れられるように、アニメのトーンや演出を丁寧に設定しています」

全力で自転車をこぐ少女の生き生きとした顔がとても印象的な演出が見事! 子供狙いではなく10代の少年少女を描くことによって、青春時代の色々な心の高まりが自転車を通じてうまく詰め込まれています。3人の人間関係などを考えると一層ドキドキが止まりませんねえ。

びっくりするほどのクオリティと爽快感が描かれたこのCM、2010年7月16日から8月31日まで関西エリアで放映されています。ローカルCMですがネット公開されているので、全国どこでも見られるというのもGOOD! 今注目の「アニメを使った地域活性化」にもつながるのではないでしょうか。

心をがっちり掴んでくる自転車少女、これで終わりだとしたらあまりにももったいない。そこで「今後続編はありますか?」と尋ねたところ、「続編はつくりたいですねぇ。まあ、関西ローカルなので、どこまで展開できるかわかりませんが……」と前向きな解答が!
このCMがさらに話題性を増していったら、続編はもちろんのこと、ひょっとしたら長編の物語が作られる可能性もあるかもしれませんね。
関西サイクルスポーツセンターは自転車をテーマにしたスポーツアトラクションのテーマパーク。ワクワクするこのCMを見て、家族や友人と一緒に自転車の爽快感を味わいに行くのはいかが?(たまごまご)
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