『ようこそパリの子ども部屋』をはじめ、ヨーロッパを中心に、多くのアーティストたちの住まいやインテリア、ライフスタイルなどを紹介している、「ジュウ・ドゥ・ポゥム」発行のシリーズ本。インテリア好き、パリやヨーロッパ好き、おしゃれが好きという人はきっと、一度は手にとったことがあるのではないだろうか。


私個人的にも大好きな本のシリーズなのだが、今ではなんと40冊以上のラインナップ! 詳細はこちら

今回はそんなステキな本たちの、気になる編集の裏側に迫るべく、「ジュウ・ドゥ・ポゥム」に取材してきた。こたえてくださったのは、このシリーズ全般で編集を務めている田島香子さん。

まずは、本の話からはちょっとずれるのだが、ずっと気になっていた、この質問から。社名でもある「ジュウ・ドゥ・ポゥム」という名前の由来を聞いてみると……。

「実は、ジュウ・ドゥ・ポゥムさんというフランス人男性がいると思われることもあるのですが(笑)。
直訳すると『手のひらの遊び』という意味で、フランスで12世紀から親しまれていたテニスの原型になった、手で打ち合うハンドテニスのようなスポーツが由来です。というのも、もともと当社はアーティストのエージェントからスタートしたのですが、その作品だけでなく、アーティストのことをもっと知ってもらいたいという思いから、本を作りはじめたんです。アーティストたちは作品を作るのに手を使いますし、私たちが本を作るときもそう、本も読者のみなさんの手にとっていただきたい……というふうに、みんなが手と手でつながって、コミュニケーションしていけたら、という思いを込めて名付けられました」

なるほど。お話にもあるように、ジュウ・ドゥ・ポゥムのはじまりは、エージェント的な役割から。これも他の出版社や編集プロダクションにはないおもしろさだろう。本の撮影兼ディレクションを務める、代表の徳吉久さんと、主に現地コーディネーターとのやりとりを担当している下地文恵さんのご夫妻が、パリ在住時に親交のあったアーティストの作品を広めるため、ビジネスをスタート。
そこから、東京に拠点を移し、出版、ギャラリー、ショップという現在のかたちが出来上がっていったのだそう。

ギャラリー・ショップ「ギャラリー・ドゥー・ディマンシュ」は表参道と自由が丘にあり、どちらのお店も本当におしゃれ! 外国に来たような雰囲気も味わえるし、女の子が大好きなものがいっぱいで、たびたび足を運びたくなる場所だ。

「ギャラリー兼ショップをはじめたのも、アーティストの作品を実際に見たり、手にとったりしてもらえる場所にしたいと考えたことがきっかけです。本で紹介したアーティストのものだけでなく、海外取材時にセレクトしてきたものなども販売しています」と田島さん。

アーティストとの関係や、つながりを大事にしている様子がうかがえる。本作りにも、そのことが反映されているのだろう。


さて、後編では、いよいよシリーズ本のお話に迫ります!
(田辺 香)