北海道の食べ物といえばジンギスカンとラーメンが定番ですが、道民として声を大にして言いたい。
北海道にきたら、今熱いのは「スープカレー」だ!
本州にもスープカレーの店が増えつつあるので詳しい説明は必要無いと思いますが、「薄いカレーなの?」とか「スープカレーっていう一定のメニューがあるの?」と勘違いされがちなのでちょっとだけ。
スープカレーとは無差別級タイトルマッチのかなりフリーダムな料理です。
完全にカレーの痕跡がなくスープになっているものもあれば、それを料理にいれちゃうの!?というびっくりなものまで。店が個性を噴出させるバーリトゥードな熱い料理、それがスープカレーなのだ!
是非北海道に来られた際にはスープカレーの世界を味わっていただきたい、そんな思いをこめて「札幌・面白くて旨いスープカレー紀行」を勝手に(不定期)連載開始いたします。
 
第一回目に紹介するのは札幌スープカレー すあげプラス - suage+ -
スープカレーは通常煮込んだ野菜や肉を入れる場合が多いのですが、この店はちょーっと違う。名前の通り串揚げの野菜を具材としていれています。
煮こんでとろっではなくサクッ! パリッ! カラッと揚がった素揚げ野菜が意外にスープに合う。

さて、この店のスープかなり濃厚なのですが、それをさらに濃厚にするイカスミスープが存在します。写真を見ていただけると分かると思いますが、超真っ黒です。
連れの女性が美白美人だったので比較してもらうとわかりますが、本当に漆黒。イカスミ風味、なんてものじゃない。イカスミそのものがふんだんに入っており、スープの重みが増したようにすら感じます。

最初は自分も「イカスミそのままとか、口真っ黒になるんじゃないかな……」なんて思って敬遠していたのですが、いざ思い切って食べてみると、口の中での化学反応が半端じゃない。元のスープ自体濃厚なのですが、さらに濃厚なものを加えることで逆に口当たりが滑らかでまろやかに!
スープカレーは普通のカレーより辛みがきつい場合があります。うかつに辛さをあげると本当に頭痛がするほど辛い場合があります。しかしイカスミスープはうまい具合に辛さを旨みに変える作用を果たしています。普段よりも辛めのスープを頼んだほうが、イカスミスープの場合は逆に美味しいですよ。

ここまで「イカスミそのものずばり」をいれているお店は珍しいです。店長に聞いたところ、イカスミだけではなくバターを使うことで滑らかな味を出しているとのこと。
串素揚げを使ったスープカレーを作りはじめたのは6年前。他にないこのアイデアは「具材が全部沈んでしまうのはもったいない」という、見た目にこだわった店長の発想から生まれたそうです。確かに小さな具材も串にさして揚げてあることでしっかり見えますし、なんといっても食べやすい。
イカスミスープは一年前から始まった新メニュー。今のところやはり見た目で敬遠している方が多く、なかなか注文が出ないとのこと。

だがしかし、ノーマルスープも美味しいけれどイカスミスープの美味しさは半端じゃないぞ!食後、口の中も黒くなりませんし、匂いも調節されていますので安心していいです。
見た目の黒さにギョッとするかもしれませんが、この旨みを食べ逃すのはもったいない。是非ともチャレンジしていただきたい!

場所は「北海道札幌市中央区南四条西5-5-1 都志松ビル二階」。[ノルベサ]という観覧車の向かいを目印にすると見つけやすいです。

では次回の「札幌・面白くて旨いスープカレー紀行」をお楽しみに!(たまごまご)
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