待ちに待った味覚の秋がやってきた。果物のおいしい季節、旬の味を堪能したいところだが、どうやらこの夏の猛暑で果物の出来に異変が起きているようだ。
私の大好きなリンゴも然り。リンゴの産地である長野県JA上伊那箕輪果実選果場の鈴木明彦さんによると、夏の猛暑と少雨の影響で、一気に糖度がのって甘くなったが、歯ごたえのないスカスカの状態になったものが多いという。さらに、見た目には日焼けを起こして茶色いものもあり、全体的に少し小ぶりらしい。

どうやらそのまま生で食べると、食感も見た目も例年より劣って感じてしまいそうだ。でも農家の方が丹精込めて育ててくれたリンゴ、なんとかおいしく食べられないだろうか?

そこで私が思いついたのが、“リンゴのジュレ”にして食べること。“ジュレ”とちょっとシャレてはみたが、要するに、皮ごとすりおろしたリンゴにジュースや水分を加えたもの。すってしまえば、今年の弱点である見た目も食感もカバーできるし、甘みは保証済みなので、これでおいしく食べることができるはずだ。これを絞ってジュースでもいいのだが、食物繊維豊富な果肉も、ポリフェノール豊富な皮も丸ごと摂れるジュレの方がオススメ。これを何通りかの味で試し、最もおいしい方法を見つけようじゃないか。

さっそく実験開始。皮つきのリンゴと一緒にミキサーにかけてみたのは、1:水、2:リンゴジュース、3:グレープフルーツジュース、4:レモン果汁入りのジュースや炭酸飲料。このうち、水、リンゴジュースには変色防止のためレモン果汁を加えた(通常変色防止に使う食塩は、しょっぱくなるためNG)。


結果、私がもっともオススメしたいのは、4の「レモン果汁入りのジュースや炭酸飲料」。ジュースのほどよい甘さが加わり、レモン果汁を入れなくても変色を防げるので一石二鳥。手軽でおいしく、面倒くさがり屋の人にもぴったりだ。水やジュースの量はお好みでOK。私は、リンゴ一個に対し、レモン果汁入り炭酸飲料100ccでおいしくいただけた。また、りんごそのものの味を純粋に感じたいなら、1の「水+レモン果汁」もさっぱりしていてオススメだ。

ちょっと上級編は、秋の味覚をぜいたくに味わう“ミックスジュレ”。ベースとなるりんごジュレの材料と一緒に、洋ナシや巨峰などの季節の果物をミキサーにかける。洋ナシはまろやかな味に、巨峰は皮のついたまま入れると、栄養豊富で見た目もきれい、さわやかな味に仕上がる。

JA上伊那の鈴木さんによると、今売られているりんごは早生種で、今後収穫する品種については、日焼けを起こしていたり小ぶりだったりという傾向はあるが、食感は例年と変わらないという。全てがスカスカというわけではないそうなので、ご安心を。

買ってから時間がたってスカスカになってしまった場合や、硬いりんごの「キシキシした食感」が嫌いという方にもオススメできる“ジュレ”。
この秋、試してみてはいかがですか?
(ミドリ)
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