最近、エコやスローライフに関心の高い若いママ達のあいだで、「布おむつ育児」が復活してきているらしい。昭和30年頃まで、赤ちゃんのいる家庭では軒先に何枚ものおむつが風に揺れる……というのがあたりまえの風景だったらしいが、手軽さから今では紙おむつが主流に。
しかし、一人の赤ちゃんがおむつを卒業するまでに消費する紙おむつの量は約2トン(!)とも言われている。
布おむつの方が紙おむつよりおむつ離れも早くなる……というの真偽は定かではないがよく聞く話。とはいえ、時代に逆行するようなこの流れ、ワーキングマザーも増えている中、大変なのではないだろうか?

そんなわけで昨年、『布おむつで育ててみよう』(文芸社)という本を出したアズマカナコさんにお話を伺ってみた。布おむつ回帰は、少子化のため少ない人数の子を手をかけて育てたいという想いがあるのかな? という気がしたのですが、実際のところはどうなんでしょう?

「そういう方もいらっしゃるとは思いますが、私の周りでは布おむつを使いながら3、4人の子どもを育てている方もけっこうたくさんいますよ。自分に興味のあるものを取り入れたり工夫をして、皆さん、子育てを楽しんでいらっしゃいます。また、妊娠・出産や子育てをきっかけに、今までの生活を見直したり、エコや自然な暮らしに関心を持つ方や、数年前から『布ナプキン』が注目されて使う方が増えたことで、布のあたたかさや心地よさを実感して、子どもにも布を選択するという方が増えたような気がします」

とのこと。今年に入って多くの布おむつ関連本が出ていますが、アズマさんの本はそのはしりみたいな感じでしたね。

「そうですね。類書が他になかったこともあって、0~1歳の赤ちゃんを持つママやこれから出産される妊婦さんから、『周りで布を使っている人がいないので、やり方がわからず困っていた』『この本を見て、これなら自分にもできそうだと思い布をつかいはじめた。思っていたより簡単で楽しい』というような多くのメールやお手紙をいただきました」

なるほど、本書に掲載の体験談を読むと、ストイックに布でないと! というよりは、選択肢のひとつとして布もありかな? という感じですもんね。あくまでもゆるやかに、「無理せず」「楽しむ」ことがポイントのようだ。夜間や外出時は紙にするなど、併用している人も多い様子。

ほか、布おむつの歴史や、海外のおむつ事情、過去に布おむつで育児をしてきた先輩女性たちへの聞き取り調査などもあって、エコやおしゃれなだけではない布おむつのさまざまな側面にアプローチしている。

さらに、アズマさんの本では手作り布おむつの作り方なども指南。子供が大きくなって使わなくなった後も次の子供に使ったり、最終的にはぞうきんとして使うなどホントに無駄がなくエコなんだなぁ……と感心! 本書と布おむつをセットにして、出産祝いとして贈る方も多いそうなので、身近で赤ちゃんが生まれる予定のある方は選択肢のひとつとして頭に入れておいてはいかがでしょう?
(まめこ)
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