枕が変わると眠れない、という人がいる。それは、いつもと違うことで心理的に落ち着かないだけじゃなく、高さが体に合わないからなど、明確な理由がある。


でも、毎日使ってる自分の枕なのに、どういうわけかしっくりこない日がある。
昨日も、おとといも、ずっと合ってた枕なのに、今日はやけに気持ち悪いという夜。頭のポジションが定まらなくて、どうにも寝付けず、なんだか枕がおかしいと。

どうして、自分の枕なのに合わないときがあるんだろう? 枕などの寝具を製造・販売している、ロフテー株式会社に話を伺った。
「理由はいくつか考えられるんですが、ひとつに首が疲れている場合があります。首の後ろを、あごを引くようにしてぐっとのばすと、気持ちいいことがありますよね。
それと同じで、高い厚みのある枕を使うと、ぐーっと首の後ろが伸びて、ストレッチ効果で気持ちいいと感じることがあります。心地良く思う枕の高さが、一時的に変わっているんですね」

ただ、高い枕が気持ちいいからって、一晩中高い枕を使うのは、少し危険だという。
「仰向けで寝る場合、背中の厚みや首のカーブの深さが、必要な枕の高さに大きく影響しています。ですので、極端に1日で太ったり痩せたりしなければ、必要な枕の高さが日によって変わることはないはずなんです。枕を高くしたり、逆に取り外して気持ちいいのは、あくまで一時的なので、高さを変えた枕がその日に合っているわけではないんですね。その枕を一晩使うことで、痛みが出てしまうかもしれませんので、枕はいつもの高さで寝てください」

ということは、一時的に枕の下にタオルを入れたり、枕を外して、そのあと寝ればいい?
「一時的にタオルを首の下に入れて高くしたつもりが、気持ち良くてそのまま寝ちゃって、朝首寝違えたなんて話も聞きますので、あまりお勧めはしないです。
無理のない範囲で、軽く首のストレッチをしてみるのがいいと思います。疲れているときって、すぐバタンと寝たいものですが、首や肩などをストレッチしてから、いつも通りの枕を使ってください」

他にも、枕が合わない理由として、気温がある。例えば暑くて顔や首が火照っているときは、羽毛や綿の枕は暑く感じてしまい、ひんやりしたストロー素材やそば殻素材の方が気持ち良く感じることがある。
また、着ている衣服の違いも、理由のひとつ。例えば普段Tシャツで寝る人が、モコモコしたフリースで寝たら、背中の厚みが変わる。そうなれば、必要な枕の高さも変わるってわけ。


枕がおかしいんじゃなくて、自分に原因があることの多い、枕がしっくりこない日。
眠れないイライラは、枕のせいにしないで、まずは首のストレッチで、リラックスしてみてください。
(イチカワ)