今日はクリスマスイブ。と同時に、年末ジャンボ宝くじ販売最終日。

どっちも夢見てるときが一番だなんていう冷静な意見は抜きにして、とりあえずワクワクしときたい、2010年の12月24日。

クリスマスの話は自信がないから他に任せるとして、ここでは誰にも平等に夢を与えてくれる宝くじの話を。なかでも今回は、宝くじの“路上売り場”について。

路上売り場っていうのは、駅前や繁華街などの歩道脇に置かれた、販売員の方が1人で売ってる小さな箱型のアレ。一体、誰がどんな風に運営してるんだろう。
みずほ銀行宝くじ部に、いろいろと話を聞いてみた。


まず路上売り場って、どんな人が中で売ってるの?
「普通の売り場と同じですよ。宝くじの売りさばき業者として登録している、会社や個人が運営しておりまして、働かれているのは、主にアルバイトやパートなどの方です」

40代~50代の女性が売ってるイメージがあるけど、実際は?
「規則では、特に年齢や技能などに決まりはありませんので、売りさばき業者さんの採用方針によります。例えば金融機関での経験を重視する業者さんでしたら、結果的に、そのようになっているかもしれませんが」

ずっと1人で大変そうだけど、実際は?
「確かに営業時間以外でも、例えば毎日開店時にセッティングして、閉店時にはまたすべてしまわなければならないですよね。あと電源をひくのが難しいので、エアコンなど置けないのも大変な部分かもしれません。ちなみに業者さんによって、1人の場合と、2人が交代でやっている場合がありますね」

交代のない1人のとこだと、食事やトイレってどうしてる?
「食事は、中でされていることが多いようですよ。ただトイレだけは、外に出なければなりません。
路上売り場は繁華街に設置されていることが多いので、トイレを近隣にお借りするなど困らないかと思いますが、一時的に売り場を閉めることになります」

繁華街で人が多いのに、一時的に閉めて防犯対策は大丈夫なの?
「近隣の交番の方には、業者さんがジャンボ宝くじが始まる前に“人通りが多くなるのでよろしくお願いします”というご挨拶をしに行ったり、受託銀行としても防犯については指導しています。ですので、比較的事故が少ないというのはありますね。繁華街で人通りが多く、人目につきやすい分、逆に犯罪から守られているという部分もありますし」

最後に。路上売り場って、儲かるもんなの?
「店舗と比べて大きな売り上げにはなりませんが、それで充分、売り場として成り立っているんですよ。昔からの馴染みのお客さんなど、相応に売れているようです。それに、道路使用料は払いつつも、テナント料に比べたら全然安いですから。
銀座のど真ん中に、テナントで入ったら、宝くじ売ってペイなんてできませんよ」

1945年に宝くじが誕生したとき、宝くじはすべて路上で売られていた。極端な話、みかん箱の上に宝くじを並べるだけの、簡易的なものだったという。その後、銀行や建物などに店舗を構えることが増え、主流は店舗型になっていった。
さらに今、時代の流れは、路上売り場に対して厳しくなっている。

「現在、新規の路上売り場は、出せなくなっているんですよ。公道を使うための、都道府県や警察の許可が下りないんですね。
街中の景観や、歩道の確保を大切にしたいことなどが理由です。路上売り場は、宝くじ販売の原型ともいえるものですが、今は減っても増えることはない状況ですね」

人によってはジャマと思うかもしれないけど、大切にしてくれる人たちがいる限り、存在し続ける宝くじの路上売り場。
クリスマスイブも、賑わう街中で1人、夢を求める人のためにがんばっています。
(イチカワ)