去年の大流行に乗っかって、購入したスマートフォン。ようやく少し慣れてきたけれど、繊細なタッチパネルに指を触れてメールを打つのはいまだに緊張してしまう。


「爪の状態がいいと、タッチに集中でき、作業もはかどります。常にベストの状態を維持するためには普段から爪のケアには気を配るようにしてください。
間違った道具が原因でトラブルを起こしている方って、実は非常に多いんです」
(つめきり文化研究所主任研究員 手賀綺麗さん)

普段の爪きりや、ハンドクリームなどの指先保湿等、毎日の生活に欠かせない爪の手入れ。
そんな日常行為としての“ネイルケア”の正しい理解を普及させるため、去年3月に開設されたサイトが「つめきり文化研究所」だ。
運営するのは、大正時代創業、薄刃ニッパー型爪きりの製造をしている新潟県三条市の「(株)マルト長谷川工作所」
“研究所”といっても堅苦しい感じはない。
ポップで見やすく、ネイルケア初心者でも楽しめる雰囲気作りがされている。

そんな素敵なサイトだが、開設に至るまでには苦労もあったという。
まず、今までの爪に関する学術的な文献や文化そのものが少ないのだ。
日本の爪きり文化は独自の進化を遂げており、その結果、現在のネイルケアの世界標準の流れとはかけ離れてしまっている、いわゆる「ガラパゴス化」の状態らしい。
フットケア先進国のドイツには、床屋の数だけ爪きりフットケアのお店があるというから、海外と日本での爪意識の差は歴然と存在しているのだ。

そのため、研究所では数百名に及ぶ意識調査を実施。
モニタリングやフォーカスグループミーティングなども行なった。
日本の爪きりの実情を踏まえながら、爪のプロたちが先進的なネイルケアを提示していく、という、まさに日本の爪きり文化の最前線なのだ! “研究所”という名前は伊達じゃないのである。

細かくはサイトを見てもらうとして、さっそく研究員の方におすすめの切り方を一つ紹介してもらった。

「爪を切るときは、自分の指の形に合わせて切るよう心がけて。おすすめは、爪を5回に分けて切る方法。細かく分けて切ることで、指に添った形に仕上げることができます」

なるほど! この切り方で今年のスマートフォン生活も快適になりそう。
爪が整うと、なんだかテンションも上がってくるようだ。

「無意識のうちにスマートフォンを操作する視線には必ず自分の爪が写ります。爪がキレイだと、ウキウキしたり、自然と仕草がエレガントになったり……。たしなみや美しさはもちろん、爪ってメンタル面にもすごく大きな役割を果たしています」

本日1月7日は日本に古くから伝わる「爪きりの日」。無病息災を願い、新年になって初めて爪を切る日とされてきた。
働き詰めの爪たちに、日頃の感謝を込めて何か素敵なケアをしてあげてはいかがでしょう。

(銀座箱アレン)