一方でいざアカウントを登録したものの、使い方がわからない、何が楽しいのかわからない、という人も多いはず。かくいう筆者もその一人でした。そこで本稿では初心者ユーザー向けに、Facebookの勘所を紹介してみたいと思います。
といっても概要や使い方は、他のSNSと大きく違いません。はじめにアカウントを作成して、プロフィール覧を記入、友達を登録。その後、近況をつぶやいたり、写真や動画を共有したり、ソーシャルゲームを楽しんだり、といった具合です。
おそらくmixiやグリー、モバゲーなどに慣れているユーザーにとって、一番の違和感は「実名主義」「使い方のイメージの違い」「操作がわかりにくい」という3点ではないかと思います。僕も理解するまで、ちょっと時間がかかりました。
まずFacebook最大の特徴である「実名主義」について。匿名性の高い日本のSNSと違って、Facebookでは実名&顔出しが基本。アカウント作成時には実名登録が求められますし、プロフィール作成時には顔写真のアップロードが推奨されています。
これはFacebookのコンセプトが「現実の人間関係の補完」にあるため。肉親や友人、会社の同僚などと、ネット上でもつながるためのツールがFacebookなんですね。そのためには実名+顔写真による登録が望ましいというわけです。一人で複数のアカウントを持つ行為も、規約で禁止されています。
こうした理由からFacebookを楽しむには、まず仲の良い友達同士で一緒に始めるのがオススメです。社会人なら名刺交換した相手をFacebookで検索してみる、なんて使い方も良いですね。逆に知らない人に、ほいほいと友達申請をしたり、受けたりするのは、無用なトラブルに巻き込まれる恐れがあるので、避けた方が賢明です。
ちなみにFacebookは13歳以上なら、基本的に誰でも使用できます。Royal Pingdomの記事「Study: Ages of social network users」によると、Facebookユーザーの平均年齢は38歳ですが、17歳以下の割合も約19%とのこと。つまり未成年者でも実名+顔出し前提なんですよ。そのため未成年者の使用時には、保護者によるネットリテラシーの教育が望まれます。
当然ながらプライバシー設定を変更して、閲覧範囲を限定することもできます。また特定のユーザー同士でコミュニケーションをとるための「グループ」や、企業や団体が広報宣伝などに活用できる「ファンページ」といった機能も備わっています。ただし、ネットの書き込みに戸板を立てられないのは、今や常識。現実社会と同様に、変にネガティブなことは書かない方が良いでしょう。なんたってほら、実名主義ですから。
次に「使い方のイメージ」について。基本的な使い方はtwitterとよく似ていて、近況を書き込み、友達同士で共有するのが一般的です。Facebookにアクセスすると、ニュースフィードという画面が中央に表示され、友達の近況が時系列順に表示されます。twitterとの違いは、他人の書き込みに直接コメントが書けることと、RT(リトゥイート)で書き込みが一人歩きしないことでしょうか。
また他人の書き込みに手軽に同意したい時は、脇にある「いいね!」ボタンをクリックすると良いですよ。相手に自分の気持ちを、ワンクリックで伝えられます。
このように、Facebookは最低限、ニュースフィードをスクロールしていき、ときおりコメントを書き込んだり、「いいね!」ボタンをクリックしていく、という使い方が基本です。ここが日記コンテンツ中心のmixiや、ソーシャルゲームが友達作りのきっかけになるグリー、モバゲーと違うところです。
そして最後の「操作がわかりにくい」点について。実際、facebookのUIはウィンドウの上下左右に、さまざまなリンクやボタンが点在していて、混乱気味に感じられるのも事実です。よく言えば多機能、悪く言えば大ざっぱ。共通の友達を新たに検出して教えてくれたりと、いろいろ世話をやいてくれたりもするのですが、時にウザいと感じることが、あるかもしれませんね。
また正直、日本語化がまだまだ中途半端なんですよ。プロフィール覧で出身地や学校名をローマ字で入力しなくちゃいけなかったり。ヘルプセンターの内容で、かなり重要度が高いと思われる「Facebookを安全に利用するために」の内容が英語のままだったり。このあたり、早急に改善して欲しい点の一つです。
個人的にはFacebookに慣れるには、まずサイトで配信されている大量のソーシャルゲームを、友達と遊んでみることをオススメします。
逆にFacebookをまったくの一人で始めると、知り合いが誰もいないパーティ会場に紛れ込んだかのような、疎外感を体験してしまうかも。GmailやYahooメールなどの住所録と連動して、Facebookの招待メールを送る機能もありますが、人によってはスパムと受け取られることもあるので、送信時は気をつけてくださいね。
ちなみにFacebookはPCだけでなく、スマートフォンやケータイからもアクセスできます。面白いのは実名主義を利用して、就職活動に役立てる動きが出てきたこと。リクルートはFacebookと連動して、就活仲間や企業のOB・OGを検索できる国内限定アプリケーション「コネクションサーチ」を開始しました。サイバーエージェントやトレンダーズのように、Facebookでリクルート活動を行う企業も登場。学生+スマートフォン+就活、という3点セットがFacebook成長のキーワードになるかもしれませんね。
日本の初心者向けに公式サポートページ「Facebookナビ」も用意されています。「Facebook、間違った使い方をしていませんか?」との見出しで、力強く「1:無差別に友達リクエストしない、受けない」「2:会ったことのない人は友達リストから消そう」「3:自分だと分かる顔写真を載せよう」と注意書きが書かれているほど。
他に基本的な使い方が習熟できる5つのミッションもあり、一度はチェックしておきたいページです。問題はこんなに良いページなのに、階層の下の方に埋もれていて、初心者にはまずたどり着けないこと。プロフィールを新しく作ったら、まずこのページが開くくらいの配慮があっても、罰は当たらないと思いますヨ。(小野憲史)