寒い朝、地面にできる小さな氷の柱。
「シソ科の多年草。高さ60cmほど。関東~九州に分布する日本の固有種」。
目にしたことのない方が多いだろうが、実は東京近郊に名所がある。
1月上旬の寒い朝。ケーブルカーに乗ろうと思ったら、すでに長い列ができていたので、歩いて登ることに変更。2時間ほど歩き、山頂を過ぎると賑わいもおさまって、「ここから奥高尾」の表示を過ぎ、さらに奥に向かうこと約30分。一丁平と呼ばれるあたりに、たくさんのシモバシラの華が咲いていた。
ところで、この冬は寒い日が続く。シモバシラの華も、さぞかし豊作(?)なのだろう。高尾ビジターセンターに聞いた。
「今年は雨が少ないので、例年に比べて小さめです」
どうやら、寒いからよくできる、という簡単なものではないようだ。
「12月から1月中旬までが見ごろです。2月に入っても見られますが、指先ほどの小さなものになるでしょう。(霜柱が何度も作られるうちに)茎がボロボロになってしまうこともありますが、季節が進むと地面まで凍ってしまい、水分が吸えなくなるのです」
残念ながら今年のピークは過ぎてしまったようだが、真冬の枯山ハイキングだけでも、風流が感じられてよい。シモバシラの観察には高尾山頂を巡る5号路、山頂奥の紅葉台、一丁平巻き道が適しているが、ケーブルカー清滝駅構内でも見られることがあるという。
(R&S)