「マーヴルVSカプコン2」が2000年に発売されてから11年。続編「マーヴルVSカプコン3」が3D格闘として帰ってきました! やったね!
なんでもありなノリの滅茶苦茶な爽快感は健在。
初心者モードもあるので文句なしにオススメできるのですが、一番多く聞くのはゲームの内容以前の、こんな言葉でした。
「で、これ、誰?」
そうなのよ。
今まで以上に、出てきているマーヴル側のキャラがマニアックなんですよ。アメコミに詳しい方なら「そっちいくのかー!」と唸ったんじゃないでしょうか。
ゲーム自体は知らなくても全く問題なく楽しめるのですが、知っていたほうがやはり楽しいので簡単にキャラ解説をしていきます。

まず前提として、日本のマンガとアメリカン・コミックス(以下「アメコミ」)は作りが違います。日本は一人の作家が一つの作品を描くのに対し、アメコミはキャラの著作権が会社にある場合、複数人の作家がキャラを引き継いでいくケースが多々あります。
色々な人が描くことで様々な性格のヒーローが生まれたり、他のマーヴルコミック作品に登場できたりしちゃうんですな。
ハルク、キャプテンアメリカあたりはこうやって引き継がれて、お年寄りから子どもまでみんなに愛されるスーパーヒーローにりました。
そんなわけで、分かりづらい新キャラの元ネタ紹介。

デッドプール
日本人が見ると「変態仮面」に見えちゃうデッドプールさん。日本刀を背負って銃を撃ちまくる、やけくそにノリが軽い大人気キャラ。
初登場は1991年、X-MENシリーズです。
実はこのキャラかなりブラックユーモアの塊。
肺がんに犯されたところを、ウルヴァリンの持っている超回復能力を移植されて命拾い。ところがヤケドだらけのひどい姿になってしまった上、不死身すぎる体を手に入れたため精神的に病んでしまい、超絶アッパーなテンションの持ち主に。お下劣ネタを吐きながら戦い、大怪我して笑われるというコメディキャラになりました……いや、これ笑いとばすのレベル高いよ!
彼は他のキャラと違って読者と会話したり、作者に直接相談したりというコミックの約束破りな反則キャラです。自分がマンガのキャラだとか言っちゃうのです。このずるい面白さはマブカプ3でも再現されているので必見。
 
ソー
アメコミ好きならご存知の方が多いと思われる、マイティ・ソーさん。1962年からの老舗ヒーローです。今年の5月に映画公開されます。
ヴァイキングの格好をしているのは、北欧神話の雷の神様「トール」そのものだから。ヒーローどころかだよ! 不老長寿な上に最高度の怪力、飛行し雷を操り時間を移動できる……まあぶっちゃけ最強レベルです。

このキャラは、「アベンジャーズ」と呼ばれるクロスオーバー作品のメンバーだからでもあります。中心の「ビッグ3」は、ソーをはじめとしてもうすぐ再映画化される「キャプテン・アメリカ」と「アイアンマン」……お?映画でアベンジャーズできちゃう? マブカプシリーズでアベンジャーズビッグ3がそろったのは実は今回初。
 
X-23
読みは「エックストゥエンティースリー」。AKB48っぽいですね。2004年、アニメ「X-メン エボリューション」に登場、ウルヴァリンの遺伝子から創りだされた少女型のクローン。コミックにはその後登場しています。
マイナーキャラ寄りだと思いますが、なんといってもワンレン黒髪ロングの少女殺戮マシーンとか、国内外超えて人気キャラ間違いなしでしょ! 映画化マダー?
ちなみにウルヴァリンは腕から6本の爪。X-23は腕から4本、足から2本出ます。
 
ドーマムゥ
頭の燃えてる人…じゃなくて生命体。1964年から活躍しているアメコミのボス格の一人で、魔法ヒーロー「ドクター・ストレンジ」の宿敵の異次元エネルギーの塊で、混沌の王です。ちなみに前作にも出てきて、今回はダウンロードコンテンツ扱いのシュマゴラス(たこっぽいの)もドクター・ストレンジから。出演なしのドクター・ストレンジ涙目。

アメコミには他にも、マブカプ2にも出ていたブラックハート(「デアデビル」の敵)など数々の魔王がいますが、お互い面識あったりするのがクロスオーバーの楽しいところです。

スーパースクラル
アメリカでは超有名、日本でも映画になって話題になった「ファンタスティック・フォー」の宿敵が、このごついチンパンジーみたいなスーパースクラル。と言ってもこの呼名は「スクラル人のエリート」という意味で、本名はクラートさんです。
スクラル星人(全員が変身能力持ち!)で、ファンタスティック・フォーの4人の能力(伸縮・透明化・石化・炎)を全部使える超人です。1963年登場のベテランですが4人の能力を生かした派手な戦い方は見ごたえありまくりです。

シーハルク
ムキムキマッチョなグリーンレディ。1980年に登場したキャラで、従兄弟のハルクの輸血で超人的怪力を持つようになりました。
ハルクが暴走特急なのに対し、シーハルクは変身後も理性があり、しかももともと頭の良い弁護士キャラというのが魅力。アベンジャーズやファンタスティック・フォーにも登場する海外の人気キャラですが、日本で「マッチョレディ」がどのくらい受けるのか気になります。

タスクマスター
骸骨のマスクをかぶった、いかにも悪役なキャラなんですが、実は金さえもらえればなんでもやるというフラットな立ち位置。1980年に「アベンジャーズ」で登場し、様々なキャラと絡んでいます。
この色々なキャラとの絡みがクセモノ。
相手の動きを見ただけで記憶できちゃうので、どんどん技をコピーしてしまうのです。といっても他のミュータントや超人と違って努力で練習しているのが魅力的。なので怪力とか無理ですが、キャプテンアメリカのシールド技とかは使いこなせます。

モードック
「M.O.D.O.K.」と書きます。今回一番キテレツな格好のキャラ。だるまみたいなでかい顔に、小さい手足。1967年、「キャプテン・アメリカ」シリーズに登場するキャラで殺人専用マシーンに改造された強化人間です。もうどっからどう見ても人間じゃないんだけど。
頭がやけくそにでかいのは、飛び抜けた頭脳の証。知性と精神力をエネルギーに変えて戦う面白い設定です。ぶっちゃけ見た目ダントツで浮いてます。

実は2Pカラー他4種類ともほぼ元ネタがあるので、探してみると面白いと思います。
かなーりネタ的にはディープです。
それにしてもこうしてみるとめちゃくちゃ敵キャラ率高いですね。ヒーロー不足、敵だらけ。
ヒーローもライバルもかっこよく、しかもクロスオーバーしているのがアメコミの醍醐味なので、これを機にアメコミの壮大なパラレルワールドに足を踏み入れてみるのも一興ですぜ!(たまごまご)
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