2月3日、本当にスカートの中から引きずり出してゲットできそうなポケモンが登場した。
「あの子のスカートの中」にいそうなポケモン登場「名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~」
「名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~」(ダウンロード版/任天堂)

「名探偵ピカチュウ ~新コンビ誕生~」(公式サイト)
は、1500円の3DSダウンロードソフト。
2月中はセール価格で1200円。

うまくいけば、女子の連絡先ゲットだぜ!


主人公は、新しい街にやってきたばかりの青年ティム。
サルのポケモン「エイパム」が女の子のネックレスをひったくる場面に遭遇した彼は、
エイパムを取り押さえようとして、おじさん声の誰かをつかまえてしまう。
「それは俺の耳!」
「ごめんなさいおじさん! ……ピカチュウ?」
なぜか自分とだけ会話できる探偵帽のピカチュウ。
声も性格もおじさん。腹はたぷたぷ。ブラックコーヒーを愛し、上から目線で探偵の心得を語る。

「わたし、ピカチュウ大好きなの!」
とお姉さんに抱きしめられると、勝ち誇った笑みを浮かべる。
コンビを組んだ二人は、逃げたエイパムを追うことにする。

プレイヤーはティムを操作。
海外のCGアニメのような街を移動して、人やポケモンの前でAボタンで話しかける。
・エイパムについて
・ネックレスについて

と選択肢が出るので、さらに選んで会話を進める。
システムはシンプル。
ゲームオーバーもないし、いつ中断してもいい。

ピカチュウは、ポケモンとの「通訳」で捜査をサポートする。
エイパムが暴れたとき、人間はパニックになっただけだが、ポケモンに聞き込みすると目撃証言があった。
「シロウトならお手上げってことろだが、おれたちは違う」
ドヤ顔のピカチュウ。

捜索を続けるふたりの前に現れたのは、ネックレスを奪われて気絶しているエイパムだった。
いったい何が起こったのか、さっそく周囲のポケモンに聞き込み開始!
「…いや、ネックレスは食いもんじゃない」
「…こいつ鳥だから3歩で忘れてしまう」
人間の事件をピカチュウが解決するんじゃなくて、犯人も目撃者もポケモンなのだ。


生き物としてのミノムッチ


これまでの 「戦い」から、「推理」ゲームに変わったことで、ポケモンの扱いは大きく変わった。

強くて重宝したポケモンが脇役になったり、
弱くても、珍しい性質のおかげで大役を任されるポケモンがいる。

代表的なのが、みのむしポケモン「ミノムッチ」。
10年前の「ポケットモンスター ダイヤモンド/パール」に登場したポケモンだ。
正直、20周年の完全新作のエピソードを任されるような人気者ではない。

だが、ミノが壊されても、周りのもので新しいミノを作る習性から、
「エイパムの騒動に巻き込まれたミノムッチの、ミノの中に手がかりが紛れ込んでいるのでは?」という展開につながる。

「戦闘要員」としては不人気だったミノムッチが、「生き物」として自然なかたちでスポットライトを浴びたのだ。


あえてシリーズのお約束を捨てて


ネックレス探しがおわっても、次の事件が起こり、美しく描きなおされたポケモンが何体も登場する。
とはいえ数百体の中から、出演できるのはほんの一部。
本作は「名探偵ピカチュウ」シリーズの第一章にあたり、次がいつ配信されるかは明かされていない。

ポケモンから「戦闘、育成、収集」を斬り捨て、戦いに興味がない人でも遊べるようになった新シリーズ。
どんな展開を見せてくれるのか。
ブラックコーヒーでも飲みながら気長に待つとしよう。

(南光裕)