みなさん、ウワサの「裸眼3D」はもう体験しましたか?

たぶんこの週末は、日本中のあちこちで数え切れないほどの「おーっ」とか「わーっ」とかが聞かれたんじゃないかと思います。そう、任天堂の新型ゲーム機「ニンテンドー3DS」がいよいよ発売になったんです!

ニンテンドー3DSと言えば、メガネを使わない「裸眼3D」が最大の特徴。

映画館なんかで見る3Dは、専用のメガネをかけないと立体に見えませんよね。でも3DSは、メガネなしで3Dに見えちゃう。詳しい原理については割愛しますが、とにかく見える。
「ほんとに見えるの?」と思ってる人は、とにかく店頭のでも、友達のでもいいからぜひ一度触らせてもらってください。間違いなく「おーっ」ってなるはずです。

……ただなんというか、ここはゲーム専門サイトじゃないので思い切って言っちゃいますが、この3DS、どうもゲーマーの間ではあんまり盛り上がってないみたいなんですよね。

ゲーム好きな人たちが集まるブログや掲示板なんかを見てると、「3DSは普段あんまりゲームで遊ばない人が買うゲーム機」みたいな空気がどことなく漂ってる。直前に発表されたプレイステーション・ポータブルの後継機に比べて、「裸眼3D」ってところが奇をてらって見えるのかも。実は僕も、ちょっとそんな風に思ってたフシがありました。

でもね。
実際触ってみると、やっぱり「おーっ」とか「わーっ」て言っちゃうんですよ、3DS。

同時発売のゲームで買ったのは、かわいい子犬や子猫が飼える「nintendogs + cats 柴&Newフレンズ」。
あと「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」と「リッジレーサー3D」も遊ばせてもらった。
正直、「nintendogs」はニンテンドーDS版を死ぬほど遊んだし、「リッジレーサー」も「スーパーストリートファイターIV」も他のハードで遊びまくったから、内容自体に目新しさはない。なのに3DSで触ると、やっぱり「おーっ」て言っちゃうんだよなー。

3Dってホントにスゴいのか? 今までとなにがどう違うのか? 実はまだ、僕の中ではっきりとした答えは出てません。でも2日間3DSに触ってみて、ひとつだけ「これだけは間違いない」と思ったことがある。

くれぐれも「なーんだそんなことか」なんて思わずに聞いてほしいんですが……

犬の毛がふさふさなんですよ!

もうね、ふさふさなんてレベルじゃない。ふっさふっさ! で、そのふさふさをペンでなでてあげると、ワンコが喜んだり、ゴロンと仰向けになっちゃったりするわけです。たまごまごさんじゃないけど、あまりのかわいさに死ぬかと思った。(←記事リンク)

写真を見ればわかるように、前作「nintendogs」に比べて、「nintendogs + cats」では犬の毛がふっさふっさになってるんですが、問題なのはそこじゃない。
大事なのは、そのふさふさが「立体感のあるふさふさ」であることなんです。たったこれだけなのに、今まではモニターという平面を隔てて見ていた子犬が、まるで本当にそこにいるかのように感じられるようになった。画面の奥から手前にタッタッタッと走ってきて、顔をペロペロなめてくれた時なんかもうたまんない。
「リッジレーサー」も同じで、コースに奥行きが加わっただけで、まるで自分がコースの中に入り込んだかのような没入感がある。そっか、奥行きが加わるって「ゲームとプレイヤーの境目がなくなる」ってことだったんだ!

たぶん世のゲーマーたちが気になってるのは、「3Dの刺激ってすぐ飽きるんじゃないの?」という点なんだと思います。実際、任天堂の岩田社長も「3Dの驚きは慣れるんです」とインタビューで発言してる。
でも同時に、このふさふさ感・立体感が生み出す面白さって、決して一発ネタではない、もっと普遍的な表現になり得るんじゃないか、という気もするんですよね。たとえばコントローラに振動機能が付いた時みたいに、あると嬉しい/ないと物足りないような存在になる。美しいグラフィックにこだわるのも、グラフィックを立体的にするのも、コントローラをブルブルさせるのも、結局のところ「ゲームへの没入感を高める」というゴールは同じなんです。

ーーそんなわけで、そこの「3Dの刺激ってすぐ飽きるんじゃないの?」と思っている人!
いきなり「買え」なんて無茶なことは言いません。まずはどこかで実物に触ってみてほしい。そしてぜひ自分の目で、アタマで、この「おーっ」を体験してみてください。きっとそこには、今までのどんなゲームにもなかった世界が広がってるはずです。

率直な感想としては、久々にいじりがいのあるオモチャが出てきたな、という感じ。ニンテンドーDSの後釜という印象はあんまりなくて、まったく新しい、「裸眼3Dを使ったオモチャ」と言った方がしっくり来る。
今後3DSならではの機能を活かしたゲームがもっと出てきたら、きっとニンテンドーDS以上に面白いゲーム機になるんじゃないか。

ただちょっと残念なのが、同時発売のソフトがいまいちなんですよね。どれも今まであったゲームを3D化しただけで(今はそれでも十分「おーっ」なんですが)、結局本体内蔵の「ニンテンドー3DSカメラ」と「ARゲームズ」「顔シューティング」が一番面白かったりする。うーん、このあたりは今後のメーカー・クリエイターさんのがんばりに期待したいところです。

何にしても、しばらくは品薄状態が続くと思われる「ニンテンドー3DS」。内蔵ソフトだけでも相当遊べるので、ソフトで迷ってる人はいっそ本体だけ買っちゃうのもアリだと思います。しばらくは持ってるだけで、友達や知人に「おーっ」って言ってもらえますよ!(池谷勇人)
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