そんな中、出版社大手がウェブでマンガ雑誌の無償公開を進めています。最初に動いたのが集英社の「週刊少年ジャンプ」。以下、講談社「週刊少年マガジン」、小学館「週刊少年サンデー」、秋田書店「週刊少年チャンピオン」と主要4誌が出そろいました。
ここで再び集英社がやってくれました! 「週刊少年ジャンプ」の15号と16号が4月27日まで、「ウルトラジャンプ」の4月号が5月18日まで、それぞれ「ニコニコ動画(原宿)」で無料配信されているんです。
ま、詳しい話は後に回すとして、とりあえず実物をチェックしてみてください。作品単位で読むことも、頭から通して読むことも可能。「コメントを表示する」アイコンをクリックしたら「きたーーーー」「アニメ化おめーーー」「www」といった、おなじみのコメントが表示されます。マンガを読むだけなら、アカウント登録も不要ですよ。
もうね、なんだか、教室でホントにジャンプを回し読みしている感覚なんです。学生時代を思い出して、すごく懐かしくなりました。もし、被災地でPCを使って、実際に閲覧している人がいたら、これだけで勇気づけられるんじゃないかなあ。
もう少し詳しく説明すると、このサービス、写真やイラストをスライドショー形式で再生しながら、コメントがつけられる「ニコニコ静画(W)」というサービスが使われています。
また、改めて凄いなあと思ったのは、PCの大画面で表示されるので、漫画を読むのに全然不都合がないこと。見開きの大コマだって、ちゃんとそのままで表示されちゃう。ページをめくるのも、次の作品に飛ぶのも、自由自在。ページ上をクリックすれば、拡大表示も出来ちゃう。このビューア、かなり使い勝手が良いですよ!
ちなみにですね、16号に掲載された「こち亀」の「麻雀刑事の巻」、マジ面白いです、はい。劇画タッチのギャグマンガという、初期こち亀のアナーキーさを、久々に思い出しました。配信が終わる前に、これだけでもチェックするのがオススメです。んでもってコメントを表示させながらページをめくると、面白さ倍増。これ、新しい漫画の読み方として、大いにアリなんじゃないかなあ。
前に「アナログ作品のデジタル版は『安い、お手軽、品質はそこそこ』で良い。
ちなみにニコニコ静画のビューアはFlashと呼ばれる言語で作られているので、iPadやiPhoneでは再生できませんが、一部のAndroidデバイスでは、再生できるみたい。なんだか、どんどん夢が広がっていきますよね。災い転じて福となすではありませんが、今度の震災がマンガ配信における、一つのきっかけになればと思います。
(小野憲史)