まぶたのふちなどにできる鬱陶しい「ものもらい(麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」。プールや海水浴のシーズンになることが多く、これから夏に向けて気をつけたい疾患のひとつだ。
ところで、私の育った関西では「めばちこ」という呼び名が一般的だったのだけど、地方によって「めっぱ」「ばか」「おひめさん」「おともだち」など様々な呼び名があるらしい。
「昨日から目に『おひめさん』ができちゃってさあ~」とか言っても、他府県の人には何のことかまったくわからないのではないだろうか。

ロート製薬がこの件を『ものもらいmap』なる、素晴らしいコンテンツにしていたのでお話を伺ってみることに。各都道府県別のベスト3を見ていくと、先に出たもの以外にも、「のめ」「ほいと」など不思議な呼び名がいっぱいで、自分や友達の出身地のものを見ているだけで楽しい。

「当社スタッフのあいだでも、『ばか』とか『おひめさん』などは聞いたことがなく印象深かったです。このサイトは2004年に開設したのですが、いろんなところでご紹介頂き、一時サーバーが落ちてしまい復旧に四苦八苦したことも……。
全国のお客様にアンケートをお願いしたのですが非常にレスポンスがよく、1週間ほどで1万件近いデータが集まり感激しました」(※通常、1000件くらいデータがあれば数も十分で、非常に信頼性が高いとされる)。

ちなみに、最もメジャーと思われる「ものもらい」は、東日本を中心に使われている言葉だったんですね。また、それぞれの呼び名についても、ちゃんと三重大学の余先生が学術的な解説をされているのがすごいです!

「余先生は過去面識がないにもかかわらず、アンケートのデータに非常に関心をもっていただき、1つ1つ丁寧に解説して頂くことができました。感謝の一言です」

たとえば、熊本の「おひめさん」、佐賀の「おきゃくさん」、沖縄の「おともだち」などは、「本来的には使うべきでない場面でわざと丁寧なことばを使うことで、対象を心理的に遠ざけようとするための表現だといえます」と解説されており、これは昔、トイレのことを「雲隠(せっちん)」とか「手水(ちょうず)」などの遠回しな呼び方をしたのと似ている気も……(ちょっと違う?)

なお、このサイトはいちおう『ロート抗菌目薬EX』のPRの一貫として作成されているのだが、万が一、「ものもらい」になってしまったら目薬をさす他、どのように過ごせばいいのでしょう?

「『ものもらい』の原因はおもに『細菌』です。特に眼帯をしなければいけない、という事はありませんが、目を清潔に保つことが重要ですので、患部を直接触ることは避けてください。疲れたらゆっくり休む事も大切です」とのことだった。


というわけで、あなたも自分の住む地方の呼び名ランキングをチェックするほか、友人知人の出身地ではどう呼ばれている? と話題にしてみてはいかがでしょう。
(まめこ)