「まず赤が好きなのか白がすきなのか、自分の好みを選んでください。それを決めたら赤白それぞれ有名な生産地域があるので、そこのワインを飲んでみましょう。購入する際も難しく考えず、ラベルを気に入ったからという理由でも良いです。とにかく飲んでみること。何本か飲めば、自分の傾向がわかってきます。気に入ったものがあったらその銘柄やブドウの種類を覚えておきましょう。つぎにそのワインと同じ地域のものや似たワインを試してみる。そうすることで、とっておきの1本に巡り合えると思います」
何事もまずは経験からということか。そういえばドラマなどで「君の誕生年のワインを用意したよ」と口説くシーンがあるけれど、ワインを寝かせた年月も選ぶ際の基準?
「そうですね。作られて間もない若いワインが好きなのか、それとも熟成されたものが好きなのか、という点で選んでも良いです。
なるほど。でもインの判断基準は感覚的な部分が多いのだろうか。選ぶ際にわかりやすい表示などがあればうれしいのだけれど。
「政府が定めたAOC(Appellation d'Origine Controlee/原産地統制名称)という制度はあります。これはフランス産ワインを管理するために設けられたもの。ラベル表示の中央の部分に注目してください。ボルドー産ワインの場合、『Appellation Bordeaux Controlee』と記載してあります。ボルドーは地域名ですが、ボルドー内の地区(例えばメドック地区産の場合は『Appellation Medoc Controlee』)または村名(例えばマルゴー村産の場合は『Appellation Margaux Controlee』)まで細分化された表記もあり、地名が細かくなるほど格が高いワインと言えます」
つまり「新潟県産コシヒカリ」という表示よりは「(新潟県)魚沼産コシヒカリ」という方がブランド的に上ということですね。とにかく選び方の大枠はわかった。知識も重要だけれど、何よりもまずは味わうことが大切。
(加藤亨延)
※本来、「Controlee」の「Contr"o"lee」にはアクサン・シルコンフレクス、「M"e"doc Control"e"e」にはアクサンテギュが付いているが、環境によっては正しく表示されないため「o」「e」で表示