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五月病になりそうでも、人生は「なんとかなる」本ベスト3■新社会人応援スペシャル

五月病になりそうでも、人生は「なんとかなる」本ベスト3■新社会人応援スペシャル
『万年前座 僕と師匠・談志の16年』立川キウイ/新潮社
こんにちは。豚を丸焼きにしたり、地下に入ったり、博霊神社例大祭に行ったりするライター、杉江松恋です。博霊神社例大祭に行ったりするよ。なぜ2回言ったし。
五月である。新社会人の方はスーツの着こなしが板についてきて、そろそろ一人前っぽくふるまいたくなるころだと思う。でも、気をつけて。もしかするとあなたの心は、自分で思っているほど強くないのかもしれない。新しい環境で緊張している間はいいのだけど、それに慣れたと思った瞬間に反動がくるかもしれない。いわゆる五月病というやつだ。張りつめた糸は、ゆるんだときに切れるんです。ご用心。
今回ご紹介したいのは、そういうときに読んでほしい3冊の本だ。
「俺、もっとがんばれるはずなのに」
「こんな風になっちゃうなんて、自分で自分が情けない」
いえいえ。それでいいんです。世の中にはがんばれないときだってある。がんばろうとしてがんばれなくて、辛いときだってある。そういうときは、がんばらないことをがんばったほうがいいのだ。今がんばらなくても、いつか、がんばればいい。「明日から本気出す」が正しいときだってあるのですよ。がんばるな!

1冊目に紹介するのは、立川キウイ『万年前座 僕と師匠・談志の16年』だ。「なるようになる」という真理を書いた本である。
立川キウイは立川流に属する落語家で、師匠はあの立川談志。関東の落語界には、前座→二つ目→真打という昇進システムがある(関西にはない)。前座というのは芸人としては半人前で、自分の噺をやることよりも、師匠や先輩の用をするほうが仕事の上では大事だと見なされる。また、自分の名前で落語会を開くことが認められないなど、さまざまな身分上の制約があるので、努力してなるべく早く二つ目に昇進してしまうのが普通である。ところがキウイは、この前座を16年半にもわたってつとめてしまったのである。当然のことながら、その長い年月のあいだには、キウイよりも先に昇進してしまう後輩も出てくる。次々に追い抜かれ、師匠には「いい可限にしろ」と呆れられる。そうした長い長い雌伏の日々を、脱力系のユーモアとともに振り返ったのが、この本なのである。帯の文句に「桃栗3年 柿8年 キウイは前座を16年」。誰がうまいことを言えと。

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