本では、横浜中華街の町づくりの歴史や発展の秘密、成功のルールなどを、あますところなく紹介。実際の取り組みのなかにも参考になることは多いが、なんといっても学ぶべきは町の人たちの「志」の高さだろう。損得の計算なしに、町を思い、子孫を思って、いかに動けるか。
代表的なエピソードがあった。中華街の一角がマンション建設用に売られてしまったとき、町の人たちが費用を全員で負担して買い戻したというのだ。マンションが建てばその通りはつぶれ、連鎖的にマンション建設が加速することもありえるからだ。買い戻しに必要な10億円、さらにその地に媽祖廟を建てる費用8億円。合わせて18億円を400軒が月に1万円強ずつ負担しながら30年かけて返していくという。町づくりに本気でなければ、とてもできることではない。
震災後のいま、日本にも一から町づくりや町おこしをしなければならないところは多いが、実は横浜中華街も、関東大震災と横浜大空襲によって、2度完全に壊滅している。そこから復興し、現在へ至る歴史に学べることも多いはず。
フラリといける日本のなかの異国、中華街。この本を読んでから訪れると、また違ったふうに見えるかもしれません。
(古屋江美子)
華僑は金持ちなので日本人に集らないので共存共栄できます。貧乏韓国とはそこが違う。
横浜中華街万歳