草木を編んで作られたパカは、日本のうちわとはだいぶ趣が違い、一見すると旗や農具のよう。物珍しさから手に取ったところ、うちわだと聞いて驚いた。さらに、実際にあおいでみると、そのパワフルさにもビックリ。柄の部分が長いので持ちやすく、少しの力でいい風が起こせる。祭り当日はかなり暑かったこともあって、すぐに購入を決めた。
パカを販売していたのは、ものづくりを楽しむ「花ものがたり編集室」の小野さん。祭り会場でのパカへの反響は上々だったそうで、購入した人からは、「ゆたりと大きな風がきて使いやすい」「人をあおいであげるのに便利」「節電の折、会社で愛用」といった声があったそう。
ちなみに、このパカ、もともとは東京・東中野の店、「パオ」(包)がアフガニスタンから輸入・販売しているもの。同店代表の安仲さんによれば、このようなうちわは、アフガニスタンやパキスタン、インドなどの方面では、家庭でも使われるポピュラーなものだという。
「アフガニスタンでは、バザール(市場)のカバブ屋(串焼き肉屋)の軒先で、肉を焼く炭火をあおる姿がよく見られます」
使い方は日本のうちわと同様。それ以外に、柄を軸にしてクルクル廻し、隣の人にも風が行くようにする、いわば“人力扇風機”のような使い方もあるという。
個人的には、“人力扇風機“スタイルはいまいち上手にできなかったが、それでも使い勝手には大満足。風を起こしやすいことに加え、少々手荒に扱っても壊れない頑丈さもいい。風呂上がりに軽くあおいだり、昼寝中の娘の頭に風を送ったりと、とにかく毎日活躍中だ。
ちなみに、東中野の「パオ」は、料理・雑貨・バーなどをユニークに展開する面白い一軒。店ではアフガニスタン料理を食べながらパカを使うこともできるし、欲しくなったら310円で購入も可能だそう。
たっぷりの異国情緒と新たな涼感を運んでくれる「パカ」。気になる人は、まずは東中野で体験してみては。
(古屋江美子)