1998年、ゲーム業界に彗星のように登場し、いきなりミリオンセラーを記録したゲームがありました。初代プレイステーション向けに発売された「XI[sai]」です。


フィールド上のサイコロを転がして消していく、シンプルながら奥深いゲーム内容は、今遊んでも新鮮。現在もパッケージ版やゲームアーカイブスで、数多くのシリーズタイトルが提供されており、多くのファンに愛されています。

そんな同社がiPhoneアプリでリリースしたアクションパズルが「Magic Arrows」。さっそく遊んでみたら、これが期待以上でした。

ゲームは画面に並んだ30個のパネルを、縦横3枚以上、同じ色で並べて消していくだけのシンプル設計。パネルには矢印がついていて、タッチすると向きに従って動かせる仕組みです。パネルが消えると、残りのパネルが重力で落下するので、うまく繋がれば連鎖で得点アップ。パネルが消えている間も別のパネルを動かせるので、コンボで消していくと、さらに高得点が狙えます。

また、同じ色のパネルを縦と横に交差させて消すと、虹色に輝「マジックアロー」が出現します。このパネルをタップすると、パネルの矢印にそって、行き止まりまでリンクが伸びていき、大量のパネルを一気に消せるんです。リンクが伸びていく間もパネルを動かせるので、うまく矢印をつないでパネルを一掃しちゃいましょう。こんな風にして一定個数のパネルを消せばレベルクリアです。


ただしレベルが進むと、最初は3種類だったパネルが最大6種類まで増加するなど、次第に難しくなっていきます。また時間の経過と共に、だんだんパネルの矢印が消えていき、動かせなくなってくんですよ。矢印の消えた無印パネルも、他の矢印パネルをくっつけたり、マジックアローを使えば消去できますが、全部無印になると、パネルを動かせなくなってゲームオーバーになるので、気をつけてください。

ゲームはハイスコアを狙うエンドレスモードの他に、規定の手数ですべてのパネルを消去する、詰め将棋にも似たパズルモードも収録されています。問題数は全60問で、ちょっとした空き時間には最適ですね。逆にうっかりバスや電車内でエンドレスモードを遊んで、目的地で乗り過ごさないように、注意してください。

いや、良くできてます。タッチして消すという直感的な操作もさることながら、「パネルを動かして消す」「連鎖で消す」「マジックアローで消す」という異なるリズム感が、波のように寄せては返す仕組みです。これがクラブ系サウンド的なBGMと相まって、ほどよいグルーブ感を生み出しており、高い中毒性を生み出しています。

もう一つ、本作ではカラーユニバーサルデザインが採用されており、パネルの色を3種類から選択できます。人によって色が識別しにくい場合でも、これで大丈夫。こうした気配りも嬉しいですね。


というわけで、「XI[sai]」を生み出したシフトの新作アクションパズルは、負けず劣らずの良作でした。んでもって本作を遊んだ人なら、誰もが思うであろうコメントを最後に、レビューをまとめましょう。

「対戦版はまだー!?」
(小野憲史)
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