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日本の食卓からバナナが消える日『いのちドラマチック』

一年中店頭にならんでいる、日本ではポピュラーな果物のひとつであるバナナ。そのバナナが絶滅の危機に瀕していることをご存知だろうか。そんなバナナ! と思うかもしれない。けれども、バナナはいつ絶滅してもおかしくない運命にある。いわば爆弾を抱えているわけだが、それはもとはといえば人間が仕掛けたものだった。以下、NHK・BSプレミアムの番組を書籍化した『いのちドラマチック』第1集から参照する。

ぼくらはバナナに種がないことを当たり前と思っているが、野生のバナナにはちゃんと種がある。現在商品として流通しているバナナは、突然変異で生まれた種なしバナナを、このほうが食べやすいということで人為的に増やしたものなのだ。種なしバナナは株分けによって増える。バナナの根を掘り起こすと、ひとつの株から何本ものバナナが株状になっており、これを株ごとに切り取って増やしている。

株分けによって増やされるバナナは、同じタイプの遺伝子を持ついわばクローンだ。動物のクローンをつくることは技術的に難しいが(他者の個体を拒絶する免疫システムを持つため)、植物では容易にできる。だが、ここに落とし穴があった。そのことがもっとも顕著に現れたのが、「グロス・ミシェル」というバナナの品種だ。グロス・ミシェルは、とろけるように甘く舌触りもクリーミーであることから、アメリカなどで飛ぶように売れたという。中米のホンジュラスはその生産で経済発展をとげたほどだった。だが、1950年代、土壌菌を原因とする「パナマ病」という病気がホンジュラスの大農園を襲い、グロス・ミシェルは全滅する。これについて生物学者の福岡伸一は、前出の本のなかで次のように説明している。
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