「これを食べると青春時代を思い出す!」。そんな思い出フードが誰しもひとつやふたつあるのでは。


私の地元山梨なら、「ミート焼きそば」がその一例。40代くらいの山梨県民なら、懐かしさに思わず目を細める人も多いだろう。

ミート焼きそばとは、その名のとおりソース焼きそばにミートソースをかけたもの。40年ほど前、山梨県を中心に店舗を展開していたケーキ販売店の喫茶コーナーのメニューにあったもので、当時はソフトクリームとセットになった「ヤングセット」が大人気だった。

そんな山梨県民の青春の味が、4年前にB級グルメ「青春のとまと焼きそば」として帰ってきた。メニューを開発したのは、山梨県の中央市商工会青年部。実は中央市は年間3,450トンを生産する県下ナンバーワンのトマト生産地。だが、全国的な知名度はまだまだ低いため、その存在を広く知ってもらおうと同青年部が「トマトでまちづくり10年計画」という事業を始動。その看板メニューとして生まれたのが「青春のとまと焼きそば」なのだ。

私自身、リアルタイムでメニューを楽しんだ世代ではないが、先月県内でおこなわれたご当地グルメイベントで初めてその味を体験。中太麺の焼きそばとトマトソースの意外なほどの相性のよさに驚いた。ソースの味が控えめなせいかクドさはまったくなく、懐かしいようでどこか新しさもある独特の風味が後を引く。
味の決め手はやはりトマトソース。たっぷりの完熟トマトに玉ねぎ、ひき肉、月桂樹の葉を加え、丸2日じっくり煮込んでいるのだという。

現在ではイベントなどで食べられるほか、市内の「ふじみ食堂」(中央市井之口)、「サンピット」(中央市大鳥居 シルクふれんどりぃ内レストラン)、「ふるさとカフェシルク」(中央市浅利 道の駅とよとみ隣接レストラン)の3店舗でも提供中。ただし、ミートソースを作るのに時間がかかるので、事前の予約をお願いしたいとのこと。

最近では、イベントなどで試食した人から、「どこで食べられるのか?」という問い合わせも多いそうで、じわじわ人気が高まっている様子。
「これからもさまざまな食のイベントに参加していきたい」
と担当者も意気込んでいるので今後の展開も楽しみだ。

ミートソースと焼きそばの絶妙コラボ。まさに青春の味だという人も、未体験だという人も、一度は試す価値アリです。
(古屋江美子)
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