まずは公式サイトを見てみてください。この魅力的な世界観! 見ているだけでもわくわくしてきませんか。
いったいどんなゲームか、まずはストーリーを簡単に説明していきましょう。
主人公の少女は空中都市「ヘキサヴィル」で目を覚まします。全く何も覚えていない少女は黒猫の「ダスティ」と会い、重力を操る力を手に入れるのです。そして、いつも猫と一緒にいることから街の人達に「キトゥン」と呼ばれるようになり、街でおこる重力嵐を中心としたさまざまなトラブルや、突如あらわれた怪物「ネヴィ」と戦っていきます。自分と同じようにカラスを連れて重力を操る少女「クロウ」と出会ったり、他の人に会ったりして、街と自分に関わる謎がだんだんと解き明かされていくのでした……
この作品のテーマはずばり「重力」なのです。まず舞台である空中都市「ヘキサヴィル」が空中に浮かんだ巨大な街だったりします。巨大な円柱を囲むように立てられている都市で、ビルとかはあるのですが、全体が丸ごと宙に浮いているのですね。地面ははるか遠くで見えません。
そして「キトゥン」はRボタンを押すことで無重量状態になります。一回押すと無重力状態となってふわふわその場に浮かび上がります。
なので、真上にターゲットマーカーを向けてRボタンを押せば、真上に落ちていくのです。途中で落ちるのをやめるにはもう一度Rボタンを押すとその場で止まります。この重力体験がなかなか斬新なのですよ! 重力を巧みに使ってビルを飛び越えたり、空中都市の壁のところに降りてアイテムを拾ってからまた元のところに戻ったり、そもそも空中を自由自在に飛び回ったり、やりたい放題できます。今のところ、都市の外に落ちるとかじゃなくてビルの上から重力を操らずに普通に飛び降りても特にダメージを受けたりしていないので、どんなにむちゃくちゃに飛び回っても大丈夫ではないかと思います。さらに、無重力から落ちるのを利用した重力キックや、その場を重力的に傾けて落ちるように滑りながら高速移動する重力スライドなど、さまざまなアクションを行えます。
このアクションにPS Vitaの性能を遺憾なく発揮しているのです! 具体的にはモーションセンサーを使って、PS Vitaを傾けるとそちらの方向に落ちていくという感じです。右アナログスティックでも落ちていく方向を操作できるのですが、傾けてもOKなのです。なので、ついつい右スティックで調整をしていながら、ゲームに没入するあまりPS Vitaを動かして予定と違ったところに着地してしまう、なんてことがしょっちゅうあったりします。
モーションセンサーだけでなく、タッチパネルも使います。
都市もよくできていて、例えば橋の裏とかもしっかりと作り込まれていたりします。なので橋の裏を歩いてみたり、ビルの横を走ってみたり、天井に着地することもできちゃうのです。この都市をただ散歩して回るのが楽しいの何のって。意味も無くひたすら都市を探索してまわっていてなかなかゲームが進まなかったりしています。いや、本当に楽しいんですよ!
おかげで最近電車の中ではPS Vitaをあっちこっちに一心不乱に振り回しながらGRAVITY DAZEをやっていたりします。でも、電車の中でやるとゲームによる3D酔いと、電車による乗り物酔いとのダブルパンチでぐったりしてしまうので、あまり長い時間できないのが困りものだったりします。だからストーリーを進めるんじゃなく散歩しているというのもあるのですが。
そんなストーリーはミッション制になっていて、ミッションをくれる人に話しかけるとストーリーが進んでミッションが発動するようになっています。この時はコミック仕立てになってストーリーが展開されます。ちなみにこのコミックのときにPS Vitaを傾けると、中のコミック部分も紙(?)が傾いたりします。
ちょっとしたネタとしては、キトゥンが重力を変化させたときには周りの一定の範囲の空間の重力を変化させるようです。なので、その辺に落ちている樽とかを浮かせて敵に投げて攻撃したりすることができるのですが、他の通行人も浮かせることができちゃったりするのです。重力を変化させて街の空中を疾走していると、巻き込まれた住人がふわふわ浮かんで「きゃー」「うわー」という悲鳴がこだまし、振り返るとその人達が尻餅をついているという……本当にキトゥンは住人の皆様に愛されているのでしょうか。
PS Vitaの性能をあまさず使いながら、それが過剰ではない、ただ歩くだけでも楽しいこのゲーム。PS Vitaユーザーだったら是非とも遊んでみてください! 体験版もありますよ。
(杉村 啓)